マンション管理組合と管理会社、どちらが主役?|後悔しないための全知識

マンション管理組合と管理会社どちらが主役? 後悔しないための全知識

管理組合って何をするんだろう?

管理会社に任せきりで大丈夫?

購入したマンションに住み始めると、このような疑問不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

実は、マンションの住み心地や将来の資産価値は、この「管理組合」と「管理会社」の関係性で決まるといっても過言ではありません。

この記事では、将来のお金建物の健康状態に不安を感じている40代からシニア層の皆様に向けて、マンション管理の仕組みを、専門用語を使わずに分かりやすく解説します。

この記事を読めば、今の管理体制が適切かどうかを見極め、自分たちの資産を守るために明日からできることが明確になります。

目次

管理の主役は「私たち住人」!知っておきたい基本の形

マンション管理と聞くと、どうしても「管理会社がやってくれるもの」と思いがちですが、実は法律上の主役はあくまで私たち「管理組合です。

まずは、この少し複雑な仕組みを、日常生活に例えてスッキリ整理してみましょう。

管理組合と管理会社は「オーナー」と「プロの助手」の関係

マンション管理組合とは、そのマンションの部屋を持っている人、つまり区分所有者」全員で構成される組織のことです。

法律である「区分所有法」によって、分譲マンションを買って区分所有者になれば、自分の意思に関わらず必ずマンション管理組合に加入し、組合員になることが決まっています 。

衆議院:建物の区分所有等に関する法律「区分所有法」

一方で管理会社は、マンション管理組合からお金を払って仕事を依頼する外部の専門業者です 。

これを船の航海に例えると、非常にイメージしやすくなります。

マンション管理組合(住人全員)

船の「持ち主(オーナー)」です。
この船をどこへ向かわせるのか、いつ修理するのかを決定する最終的な権利を持っています。

理事会(代表メンバー)

船の「船長や幹部」です。
持ち主たちの意見をまとめ、具体的な方針を立てて管理会社に指示を出します。

管理会社

船の「操縦や整備を請け負うプロのクルー」です。
船長の指示に従って、日々の掃除や機械の点検、難しい事務作業を代行します 。

ファイナンシャル・プランナー

つまり、船がどこへ行くか、つまり「どんなマンションにしたいか」を決めるのは管理会社ではなく、所有者の皆さん自身なのです。

管理会社はあくまで、決定されたことのサポートや、実務を代行してくれる心強いパートナーにすぎないってことなんだね。

まず押さえたい結論|マンション管理の基本となる3つの考え方

難しい理屈を抜きにして、私たちがまず押さえておくべきポイントは以下の3点に集約されます。

  1. 決定権は管理組合にある

    マンションのルール変更大きな工事管理会社の変更といった重要事項は、管理組合の総会で決議されます。
    管理会社が独断で決めることはできません。
  2. 資産価値を守るのは住人の関心あってこそ

    「管理会社に任せているから安心」と無関心でいると、修繕積立金の不足管理の質の低下につながることがあります。

    建物や敷地の状態に関心を持つことが、将来の安心と快適な暮らしを守ります。
  3. 管理会社は実務を担うパートナー

    清掃や点検、管理人の手配、管理費の集計・督促などは、管理会社が専門家として代行します。
    これらの業務は、管理委託契約に基づいて行われています。
マンション管理組合マンション管理会社
立場マンションのオーナー
(当事者・主体)
業務の受託者
(プロのパートナー)
構成員区分所有者
(住人)全員
企業の社員
(担当者など)
主な
役割
意思決定、管理方針の策定、業務の監督 実務の遂行、専門的な助言、報告
法的な位置づけ区分所有法に基づく必須の団体 委託契約に基づくサービス提供者
重要な活動総会や理事会の開催、予算の承認 清掃、点検、会計管理、管理員業務

このように、役割をはっきり分けることで、マンションという大きな資産を適切に維持していくことができるのです。

管理会社に業務を委託したとしても、マンション管理の主体はあくまで管理組合にあるという自覚を持つことが、資産価値を守るための第一歩となります 。

無条件で管理会社に任せっきり…じゃダメなんだね。

ファイナンシャル・プランナー

自分たちのマンションの状況を、常に把握しておくことが大切ですよ!

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公的データが語る現実!他人事ではない「高齢化」と「お金」の悩み

さて、私たちの住む分譲マンションは今、どのような状況にあるのでしょうか。

国土交通省が5年ごとに行っている大規模な調査「令和5年度 マンション総合調査」の結果から、現在のマンションが抱える「リアルな課題」を見ていきましょう。

住人の高齢化は「4世帯に1世帯」が70代以上の時代へ

国土交通省の「令和5年度 マンション総合調査 結果 概要」によると、マンションの世帯主の年齢は「60歳代」が27.8%で最も多く、次いで「70歳代以上」が25.9%となっています 。
平成30年度の前回調査と比較すると、70歳以上の割合は22.2%から25.9%へと増加しており、マンション居住者の高齢化が着実に進んでいることが分かります 。

マンション世帯主の年齢

特に、築年数が経過した「高経年マンション」ほど、この傾向は顕著です。
昭和59年以前に完成した古いマンションでは、世帯主が70歳以上の割合は実に55.9%と、半数を超えています。

世帯主の年齢(完成年次別・令和5年度)

出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状」

ベテラン選手は経験豊富で頼りになりますが、将来のチーム運営、つまりこれからの20年、30年の管理を誰が担っていくのかという課題が突きつけられています。
理事会の役員のなり手不足という問題も、こうした背景から深刻化しているのです。

「修繕積立金」の不足という静かな危機

マンション管理組合が将来の運営に対して抱いている不安についても、データはシビアな現実を教えてくれます。

同調査によれば、将来への不安として「区分所有者の高齢化(57.6%」が最も多く挙げられていますが、それに次いで多いのが修繕積立金の不足(39.6%です 。

マンションは12年〜15年に一度、外壁の塗り替えや屋上の防水工事といった「大規模修繕」を行う必要があります。

大規模修繕とは
マンションを安全に長く使うために、数年ごとに建物全体をまとめて補修・更新する工事のことです。
外壁や防水などを中心に行い、資産価値を維持する目的があります。

そのための貯金が「修繕積立金」ですが、実は多くの管理組合で、当初の長期修繕計画で予定していたよりも工事費用が上がったり、物価高の影響を受けたりして、お金が足りなくなる可能性が出ています。

実際に、区分所有者の36.2%「修繕積立金の金額を見直すべき」という課題を感じています 。

データから読み解く「今、私たちが向き合うべきこと」

ここまでの数字を見ていると、マンションの将来が不安になってくるね…

ファイナンシャル・プランナー

ええ、ただ不安材料である一方で、今のうちに行動を考えるきっかけとも捉えることができますよ。

管理組合の担い手不足にどう備えるか

高齢化によって理事のなり手がいなくなる問題に対し、管理組合運営を外部の専門家に任せる「管理者」の導入や、第三者管理方式といった新しい仕組みの検討が始まっています。

空室と連絡先不明住戸の整理

空室のあるマンションは全体の34.0%にのぼり、築年数が古くなるほど、その割合は高くなる傾向があります。
さらに、所有者が分からず連絡が取れない住戸も3.3%存在しています。

こうした状況は、管理費の未回収や、重要な決議が進まない原因になりがちです。
だからこそ、早めに所有者名簿を整理し、連絡体制を整えておくことが、安定した管理運営には欠かせません。

空室戸数(3ヶ月以上)割合
令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状
所在者不明・連絡先不通の戸数割合
令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状

出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状」

管理への意識改革

マンション購入時に「共用部分の維持管理状況」を考慮した人は、わずか12.0%にとどまっていました。
大半の売位、「管理の大切さに気が付くのは住み始めてから」という事が言えます。

調査項目
(令和5年度調査)
結果の概要
(具体的な問題点)
管理組合の課題
世帯主の年齢
(70歳以上)
世帯主が70歳以上
(25.9%)
※古い物件では55.9%
・役員のなり手不足
・バリアフリー対応
管理組合の悩み
(第1位)
区分所有者の高齢化(57.6%) ・住民同士の助け合い
・専門家の力を活用する仕組みづくり
修繕積立金の
不足や不安
資金不足に不安を感じる(39.6%)長期修繕計画の見直し
空室の割合3ヶ月以上の空室があるマンション(34.0%)隣人が分からない状態を防ぎ、防犯や衛生面への配慮が必要

国土交通省の「令和5年度 マンション総合調査」の結果は、まさにマンションにとっての「健康診断の結果」のようなものです。
しかし、数値が少し悪かったとしても、落ち込む必要はありません。

今のうちに適切な「生活習慣の改善(管理の見直し)」を始めることが、マンションという大切な資産の寿命を延ばし、価値を維持することに直結するのです。

少しでも早く問題点に気が付けるかどうかが重要だね!

ファイナンシャル・プランナー

今すぐにできることは何だろう、と課題意識を持つことが健全なマンション管理の第一歩です。

複数の保険会社から火災保険の一括比較
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明日からできる!賢い管理組合運営のための見直しポイント

うちのマンションも色んな問題を抱えているのかな…。

これまでのデータを見て、このように少し不安になった方もいらっしゃるかもしれませんね。

ファイナンシャル・プランナー

でも、大丈夫ですよ。
一緒に考えていきましょう。

マンション管理を健全に保つためには、いきなり難しいことをする必要はありません。
まずは身近なところから、一歩ずつ取り組んでいくことが大切です。

具体的には、次の3つのポイントから取り組んでいくとよいでしょう。

ポイント①|管理委託契約書を「自分事」として読んでみる

まずは、自分のマンションが管理会社にどのような業務を、年間いくらで依頼しているのかを確認してみましょう。

国土交通省の調査によると、管理委託契約の内容を「よく知っている」と答えた人は、わずか6.3%にとどまっています。

国土交通省:令和5年度マンション総合調査

多くの住民が、契約の中身を十分に把握しないまま管理を任せているのが実情です。

費用と業務内容を一度整理してみるだけでも、管理の見直しや話し合いの第一歩になります。

  • 見るべきポイント

    「事務管理業務」「清掃業務」「建物・設備管理業務」などの項目ごとに、それぞれどれくらいの費用(委託費)がかかっているかを確認する。
  • 知っておきたいこと

    現在、74.1%のマンションが、すべての業務を1社に任せる全部委託を採用。(下のグラフ参照)
    一方で、13.3%のマンション合では、清掃や点検など一部の業務を専門業者に直接依頼する「一部委託」によって、コストを抑えている管理組合も存在する。
  • チェックの方法

    管理組合の総会資料や、管理規約と一緒に保管されている「管理委託契約書」を確認する。

出典:国土交通省「平成30年度 マンション総合調査」

対策を練るには、自分たちのマンションの現状を知ることが大切だね

ファイナンシャル・プランナー

マンションにどんな管理の形が合っているのかを考える、よい出発点になります。

ポイント②|設備点検の「世間の相場」を物差しにする

管理会社から提示される見積もりが高いのか安いのか、判断するのは難しいものです。
そんな時は、公的な基準や一般的な相場を「物差し」として持っておくと安心です。

  • 消防用設備点検

    火災報知機や消火器などが正しく作動するかを確認する、法律で定められた点検です。
    1回あたりの費用相場は、おおよそ 3万円〜6万円程度 とされています。
  • エレベーター点検

    エレベーターは、毎月の保守点検が欠かせない設備です。
    製造メーカー系の業者に依頼すると月額 4万〜6万円程度、独立系の点検業者であれば 3万〜5万円程度 が一般的な目安とされています。

もちろん、安ければ良いというわけではありません。
ただ、相場を知っていれば、「相場より高額な理由」などを問う際にも、根拠を持って管理会社に質問できます。

このように適切に質問する姿勢が、管理会社と対等で健全なパートナーシップを築くための大切な一歩になります。

ポイント③|新しい生活ルール「置き配」や「EV充電」への対応を検討する

時代の変化に合わせて、マンション内のルール(管理規約や使用細則)をアップデートしていくことも、住み心地を高める重要なアクションです。

  • 置き配のルール化

    2024年6月、国土交通省は「マンションにおける置き配の運用ガイドライン」を公表しました。

    消防法では、廊下などの共用部分に私物を置くことは原則として禁されていますが、条件を満たせば例外的に運用することができます。

    具体的には、避難の妨げにならない大きさで短時間の置き配に限ることなどを前提に、管理組合がルール(管理規約や使用細則)を定めれば、置き配を認めることが可能です。

    きちんとルール化することで、利便性と安全性の両立が図れます。
  • EV(電気自動車)充電設備の導入

    電気自動車の普及が進む中、マンションの駐車場に充電設備を設置する動きも広がっています。

    こうした流れを後押しするため、現在は国(次世代自動車振興センター)や自治体による補助金制度が整っています。
    条件を満たせば、工事費の100%が補助されるケース(上限あり)もあり、以前に比べて導入のハードルは大きく下がっています。
    将来を見据えた設備投資として、検討するマンションが増えている分野です。

保険の「健康診断」も忘れずに

管理組合で加入している共用部分の火災保険も、一度見直しておきたいポイントです。

最近では、建物の管理状況が良いと、保険料が割引になる「マンション管理点検制度」に対応した商品も増えています。
例えば、適切な点検を行っている、過去に事故が少ないなど)

このような細かい「節約と備え」の積み重ねが、将来の修繕積立金不足を救う大きな力になります。

具体的な制度手続きについては、管理会社の担当者に見直しの相談をしてみるのがおすすめです。
管理の実務を担っている立場から、参考資料や現実的な選択肢を提示してもらえることが多く、検討を進めるうえで大きな助けになります。

何年も前のやり方をそのまま放置…では、適切な管理ができなくなるかもしれないね。

ファイナンシャル・プランナー

そうなんです。
時代や経年に合わせて、マンション管理の最適解を探すことは不可欠です。

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  • 複数の保険会社から保険料を比較して、理事の納得の上で保険に加入したい!
  • 初めて管理組合で保険に加入することを検討している・自主管理だが、どのように進めれば良いか分からない!

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あなたのマンションはどっち?管理会社の「家系図」を知ろう

管理会社は一見どれも同じように見えますが、成り立ちによって「デベロッパー系」と「独立系」の2つに分けられます。

ファイナンシャル・プランナー

これは例えるなら、「メーカー直営の正規ディーラー」か「街にある便利な自動車整備工場」かという違いのようなものです。

デベロッパー系|安心感と建物の「詳細データ」が強み

デベロッパー系とは、マンションを建設して販売した会社(デベロッパー)のグループ会社である管理会社です。

メリット
  • マンションの構造や使用材料など、建設時の詳細な設計情報を最初から把握している
  • トラブルや不具合が起きた際も、建設した親会社と連携して対応しやすい
  • 大手グループならではのブランド力と経営基盤の安定感がある
  • スタッフの教育体制が整っているケースが多い
デメリット
  • 安心感やサービス品質が高い分、管理委託費がやや高めに設定されやすい
  • 修繕工事などの発注先がグループ企業に偏りやすい
  • その結果、コスト削減につながる提案が出にくい場合がある

独立系|コストパフォーマンスと「柔軟な提案」が魅力

独立系とは、特定の販売会社に属さず、マンション管理を専門に行っている会社です。

メリット
  • 最大の魅力は、管理委託費を抑えやすい
  • 競争の中で選ばれる必要があるため、無駄を省いた効率的な運営を行っている
  • 複数の業者を比較し、工事費の削減につながる提案をしてくれることが多い
  • 系列企業に縛られないため、管理組合の要望に合わせた柔軟な対応が可能
  • きめ細かなサービスを強みに、独自の工夫で差別化している会社も多い
デメリット
  • 会社ごとに、サービスの質やスタッフの対応力に差が出やすい
  • 親会社を持たないため、建物の構造や仕様を一から確認する必要があるケースもある
  • トラブル対応のスピードや体制が、会社の規模や人員に左右されることがある

デベロッパー系か独立系か|管理会社選びは住人の優先順位で決まる

結局、デベロッパー系と独立系、どっちがいいの?

ファイナンシャル・プランナー

どちらのタイプが良いということは一概には言えません
大切なのは、自分たちのマンションが今、何を一番必要としているかを見極めることです。

比較項目デベロッパー系管理会社独立系管理会社
安心感・信頼性大手の看板があり
非常に高い
会社の実績による
個別の工夫が光る
コスト(委託費)高めの設定が多い
(いわゆる「安心料」)
抑えられていることが多い
(企業努力)
建物への詳しさ親会社が建てたため
非常に詳しい
調査が必要だが
客観的な視点で見られる
トラブル対応親会社との連携で
迅速な対応が可能
フットワークは軽いが
技術的難易度による
提案の柔軟性標準的なメニューが
中心になりやすい
独自のサービスや
他社比較の提案に強い

最近では、最初はデベロッパー系の管理会社に任せていたものの、築15年や20年といった節目に、「今の管理費は、このマンションに本当に合っているのだろうか」と立ち止まって見直す管理組合が増えてきました。

その結果、独立系の管理会社へ切り替え、そこで生まれた余裕を修繕積立金に回しているケースも少なくありません。

管理会社は一度決めたら終わり、というものではありません。マンションの状況や成長に合わせて、より良いパートナーを選び直していくことが大切なのです。

デベロッパー系、独立系、それぞれのいいところを踏まえて選ぶんだね。

ファイナンシャル・プランナー

住民が「今、何を重視したいか」を定期的に確認していけると安心ですよ。

【事例紹介】
Aさん(45歳・会社員)が体験した「マンション管理の再建」ドラマ

ここで、あるマンションで実際に起きたお話を紹介しましょう。

東京都内に住むAさんは、築15年の分譲マンションで初めて「理事」に選ばれました。
それまでは、マンション管理のことは正直「他人事」だと思っていたそうです。

「高い管理費、これって普通なの?」という疑問

Aさんが理事になって最初に出席した理事会で、管理会社(デベロッパー系)から提示された次年度の予算案を見て、思わず驚きました。

毎年、管理費は少しずつ余っている一方で、将来の大規模修繕に備えるはずの修繕積立金は、計画ほど貯まっていなかったのです。
それにもかかわらず、管理会社に支払う委託費は毎年ほとんど変わらず、高い水準のままでした。

管理人さんの丁寧な仕事ぶりには満足していたものの、電球の交換ひとつ取っても、相場よりかなり高い金額が計上されている点に、Aさんは違和感を覚えます。

このままだと、将来の大規模修繕のときに、住民一人あたり100万円以上の一時金を負担しなければならなくなるかもしれない……

Aさんは他の理事たちに相談しました。

最初は

「管理会社を変えるなんて大変そう」
「今の会社に不義理をするのはちょっと……」

という消極的な意見もありました。
しかし、Aさんは丁寧に説明しました。

「管理会社を変えることが目的ではなくて、私たちの将来の負担を減らすために『今の金額が妥当かどうか』を確かめたいんです。
お医者さんのセカンドオピニオンと同じなんですよ」

理事会の承認を得て、Aさんたちは複数の管理会社に見積もりを依頼しました。
いわば「管理のコンペ」です。

すると、別の管理会社(独立系)から、今の管理人さんの勤務時間や清掃回数はそのままに、年間の委託費を32%も削減できるという具体的な提案が届いたのです。

新しい管理会社への変更を提案する「総会」の日。

Aさんは、削減できたお金をすべて「修繕積立金」の口座に移し、将来の増額を回避できるというシミュレーションを見せました。

結果は、圧倒的多数での承認。
住民の皆さんも、実は「お金の不安」を抱えていたのです。

管理会社を変更してから、会計状況が劇的に改善しました。
さらに、新しい会社は滞納されている管理費の回収にも積極的で、未収納金が半分以下に減ったのです。

Aさんが気づいた「本当の収穫」

この経験を通じて、Aさんは大切なことに気づきました。

「一番大きな変化は、管理会社が変わったことそのものではありませんでした。
住民同士で『自分たちの家をどう守るか』を真剣に話し合えるようになったことなんです。

管理会社に任せきりにせず、私たちが意思決定の主体になった。
それが一番の安心に繋がっています」

Aさんのマンションでは今、新しい管理会社と「お互いに助け合うパートナー」として、定期的な建物チェックや新しい設備の導入など、ポジティブな議論が活発に行われています。

現状で妥協せず、問題をしっかり認識したAさんの行動力はすごいよね!

ファイナンシャル・プランナー

マンション住民や管理組合の活性化にもつながった、成功例ですね。

オンライン保険相談

よくある質問(Q&A)マンション管理の「素朴な疑問」をスッキリ解消!

マンション管理についてYahoo!知恵袋など数多く寄せられている疑問を取り上げながら、ベテランFPの立場から、できるだけ分かりやすくお答えしていきます。

理事会の役員を断ることはできないのでしょうか?

基本的には、区分所有法という法律に基づき、マンションの所有者全員で構成される団体(管理組合)のメンバーとしての責任がありますので、順番が回ってきたら引き受けるのが原則です。

本来、マンションの管理は、区分所有法に基づいて所有者全員で構成される管理組合が担うものです。
そのため、役員の順番が回ってきた場合は、原則として引き受ける責任があります。

ただ最近では、住民の高齢化などを背景に、無理なく管理を続けるための工夫を取り入れるマンションが増えてきました。

たとえば、役員を辞退する代わりに月々数千円程度の「協力金」を支払うルールを設けたり、マンション管理士などの専門家に理事業務を任せる第三者管理方式(外部管理者方式)を導入したりするケースです。

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役員を引き受けて管理が滞ってしまうよりも、必要に応じてプロの力を借りることは、現実的で賢い選択と言えますね。

管理会社がもし倒産してしまったら、私たちの管理費はどうなりますか?

ご安心ください。管理会社はマンション管理適正化法によって、管理組合のお金と自社のお金を完全に分けて管理する「分別管理が義務付けられています 。

具体的には、皆さんが払った管理費などは管理組合名義の口座に入り、管理会社が自由に引き出すことはできない仕組みになっています(通帳と印鑑を別々に保管するなど)。

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万が一、管理会社が倒産しても、皆さんの大切なお金が差し押さえられたり、消えてしまったりすることはありませんのでご安心を!

「自主管理」って、自分たちで掃除までしなきゃいけないの?

「自主管理」とは、管理会社に業務を委託せず、管理組合が直接、清掃業者や管理人さんを雇用して運営する方式です。

昭和の時代に建てられた小規模マンションでは、今でも「自主管理」を採用しているケースが見られます。特に昭和49年以前に建てられた物件では、約31.9%がこの形態を続けています。

自主管理といっても、必ずしも住民が自ら清掃を行うわけではありません。
ただし、

  • 清掃員への給与支払い
  • 点検業者の手配
  • 会計処理   …など

この様にマンション管理に関わる実務をすべて管理組合自身で担う必要があります。
そのため、役員の負担はどうしても重くなりがちです。

現在では、こうした事務作業をプロに任せる「委託管理」が主流となっており、全体の約74.1%を占めています。
時代の変化とともに、無理のない管理体制へ移行するマンションが増えているのが実情です。

騒音トラブルが起きても、管理会社は解決してくれないのですか?

管理会社は、建物の共用部分(廊下やエントランスなど)を維持管理するのが主な仕事です。
住民同士の騒音やバルコニーの使い方といった「生活上のトラブル」について、管理会社に警察のような「取り締まる権限」はありません。

ただし、管理会社は「掲示板に注意喚起のポスターを貼る」「アンケートを実施して状況を把握する」といったサポートは積極的に行ってくれます。

最終的な解決は、管理組合(理事会)が主体となって、当事者同士の話し合いを促すことになります。

修繕積立金が急に上がると言われました。これは下げられませんか?

修繕積立金が上がる最大の理由は、建物の「経年劣化」と「物価・工事費の高騰」です。
マンションは古くなるほど、エレベーターの更新や配管の取り替えなど、お金のかかる工事が必要になります。

まずは、管理会社が出してきた「長期修繕計画」を精査し、無駄な工事がないか、時期を遅らせることはできないかを確認しましょう。

また、清掃や点検などの「日常の委託費」を見直して、その浮いた分を積立金に回すことで、値上げ幅を抑えた成功事例もたくさんありますよ。

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まとめ|将来の安心のために、今日から踏み出す小さな一歩

マンション管理は、決して難しい「義務」や「重荷」ではありません。
私たちが毎日を快適に過ごし、大切に育ててきた資産を将来にわたって守り抜くための「自分たちのための活動」です。

最後に、この記事でご紹介した大切なポイントをおさらいしましょう。

主役はあくまで「私たち管理組合」

管理会社は頼りになるプロのパートナーですが、主役は、持ち主である皆さん自身(管理組合)です。

データが示す「今が変え時」

高齢化や修繕金不足は、多くのマンションが抱える共通の課題です。
今のうちに現実と向き合うことが、最大の防衛策になります。

賢く選んでコストを賢く使う

デベロッパー系独立系の違いを理解し、相場を知ることで、納得感のある管理費の使い方を目指しましょう。

新しい時代のルールにアップデート

EV充電器の導入や置き配の活用など、新しい仕組みを積極的に取り入れることで、マンションの価値はさらに高まります。

いきなり課題の提案などをする必要はありません。
まずは次の理事会議事録をさらっと読んでみる、あるいは管理人さんに「いつもありがとうございます。最近、建物の調子はどうですか?」と一言声をかけてみることから始めてみてください。

こうした小さな関心の積み重ねが、10年後、20年後も「このマンションに住み続けてよかった」と思える環境につながっていきます。

管理組合だけで抱え込む必要はありません。
住民同士みんなで考え、必要な場面ではプロの力も借りながら、できることから少しずつ進めていけば大丈夫です。
マンションのこれからは、今からの日々の選択の積み重ねで形づくられていきます。

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