マンション管理組合とは?運営方法から法律・保険まで専門家が徹底解説!

マンションを購入したばかりのAさん一家。ポストに「管理組合総会のお知らせ」という書類が届きました。
「管理組合って何だろう?」
「何をする組織なの?」
「自分も何かしないといけないのかな?」
そんな不安や疑問を抱える方は少なくありません。
この記事を読めば、マンション管理組合の役割、あなた自身との関わり、そしてマンション生活で非常に大切な「お金」や「保険」のことまで、スッキリと理解できます。

マンションは人生における大きな買い物の一つです。その大切な資産価値を守り、日々の生活を快適に送るためには、マンション管理組合についての理解が不可欠です。
「他人事」だと思わず、自分たちの住まいをより良くしていくための「チーム」の一員として捉えることが大切です。
この記事を読むことで、あなたは以下のことができるようになります。
- マンション管理組合の基本的な仕組みがわかります。
- 毎月支払う管理費や修繕積立金が、具体的に何に使われているのかを理解できます。
- マンションの保険について、管理組合が加入するものと個人で加入すべきものの両方の視点から学べます。
- 将来の思わぬトラブルを避けるためのヒントが得られます。
目次
マンション管理組合とは何か?
この記事でお伝えしたい最も重要なポイントは、「マンション管理組合は、マンションという『みんなの財産』を維持管理し、住みよい環境を守るための、区分所有者全員で構成される組織である」ということです。
これは法律で定められており、マンションの住戸を購入すると、あなたは自動的にその一員となります。自分たちの住まいの価値を守り、多くの人と共に快適な共同生活を送るために、マンション管理組合は非常に重要な役割を担っているのです。
マンション管理組合とは?
マンション管理組合とは、分譲マンションの建物本体、廊下やエレベーターといった共用部分、駐車場や集会室などの付属施設を適切に維持し、管理していくために、そのマンションの区分所有者(各住戸のオーナーのことです)全員で構成される団体のことを指します。
主な目的は、マンションに住むすべての人にとって快適な住環境を確保し、長期的にマンションの資産価値を維持・向上させることです。そのために、共用部分の清掃や定期的な点検、必要な修繕工事の計画と実施、マンション内で守るべきルールの作成、そしてそれらを実行するためのお金の管理など、幅広い活動を行います。



「管理」というと少し難しく聞こえるかもしれませんが、例えば「みんなが使う廊下の電球が切れたら交換する」「古くなった外壁を塗り直すための計画を立てて、そのための資金を積み立てる」といった、自分たちの住まいを長持ちさせ、毎日を気持ちよく暮らすための、ごく身近な活動のことなのです。
では、なぜマンション管理組合が必要なのでしょうか?管理組合があることのメリットは主に以下の3点です。
- 快適な住環境の維持
管理組合が中心となって、マンション内の清掃や設備の点検・修繕を計画的に行うことで、衛生的で安全な住環境が保たれます。また、ゴミ出しのルールや騒音問題など、共同生活におけるマナーやルールを定めることで、住民同士が気持ちよく暮らせるようになります。 - 資産価値の維持・向上
建物や設備が適切に管理され、定期的な修繕が行われているマンションは、見た目が良いだけでなく、安全性や機能性も高く保たれます。これは、将来的にマンションを売却したり賃貸に出したりする際に、有利な条件に繋がる可能性があります。
国土交通省の調査によれば、長期修繕計画が適切に策定され、それに基づいて修繕積立金がきちんと積み立てられ、計画的に修繕工事が実施されているマンションは、中古市場においても評価が高い傾向が見られます。 - 所有者同士のトラブル防止
共同生活では、様々な価値観を持つ人々が暮らすため、時には意見の衝突やトラブルが発生することもあります。管理組合は、共通のルール(管理規約や使用細則)を設けることで、トラブルを未然に防ぐ役割を果たします。また、万が一トラブルが発生した場合でも、管理組合が間に入って解決をサポートすることで、問題が大きくなるのを防ぐことができます。
もし管理組合が適切に機能していなければ、どうなるでしょうか。
例えば、役員のなり手がいなかったり、修繕積立金が計画通りに集まっていなかったりすると、必要な清掃や修繕が行き届かなくなります。その結果、建物はどんどん老朽化し、見た目も悪くなり、安全性も損なわれる可能性があります。
そうなると、住み心地が悪くなるだけでなく、マンションの資産価値も大きく下がり、最悪の場合、売却も困難な「負の資産」となってしまうリスクさえあるのです。
これは、管理組合の機能不全が、マンションの価値低下と生活の質の悪化に直結するという、深刻な問題です。
マンションを購入したら関わる法律「区分所有法」とは?
マンション管理組合の活動や組織のあり方は、「建物の区分所有等に関する法律」、通称「区分所有法」という法律によって定められています。
この区分所有法の第3条には、マンションのように一つの建物を複数の人が分けて所有している場合(これを区分所有といいます)、区分所有者は全員で、建物ならびにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体(これがマンション管理組合です)を構成し、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる、と規定されています。
つまり、あなたが分譲マンションの一室を購入して区分所有者になった瞬間から、あなたは自動的にそのマンションの管理組合の構成員(組合員)となるのです。
これは法律上の義務であり、自分の意思で「管理組合には入りません」と脱退することはできません。区分所有法は、マンションという特殊な住まいの形態において、みんなで仲良く、そして建物をきちんと維持していくための基本的なルールを定めた、とても大切な法律なのです。
マンションを購入したら管理組合の組合員となる
マンション管理組合のメンバー、つまり組合員は、そのマンションの住戸を所有している「区分所有者」全員です。
マンションを購入した時点で、自動的に組合員の一員になります。
一方で、そのマンションに賃貸で住んでいる人や、区分所有者のご家族・同居人の方は、原則として管理組合の組合員にはなりません。ただし、マンションの管理規約によっては、区分所有者の家族(例えば配偶者や成人した子供など)が役員になることを認めているケースもあります。



まず「自分も管理組合の一員である」という意識をしっかりと持つことです。マンションの管理は、誰か他の人がやってくれる「他人事」ではありません。
自分たちの住まいをより良くし、その資産価値を守っていくためには、組合員一人ひとりが積極的に関心を持ち、協力していく姿勢が何よりも大切なのです。
マンション管理組合の組織と運営のしくみ
マンション管理組合が、実際にどのように組織され、運営されているのか、その仕組みを見ていきましょう。
理事長や理事など役員ってどんな人?
管理組合の実際の運営をスムーズに進めるために、組合員の中から代表者として「役員」が選ばれます。役員は、マンションの維持管理に関する様々な業務を執行する中心的な役割を担います。主な役員とその役割は以下の通りです。
- 理事長
管理組合のリーダーであり、代表者です。
通常、年に一度開催される総会や、定期的に開かれる理事会の議長を務めます。
また、管理組合を代表して、管理会社や工事業者など外部との契約を結んだり、重要な書類に署名・捺印したりします。 - 副理事長
理事長を補佐する役割です。
理事長が病気や出張などで不在の場合には、理事長の代理としてその職務を行います。 - 理事
理事会のメンバーとして、管理組合の様々な業務を分担して担当します。
例えば、会計担当理事は管理費や修繕積立金の管理、収支報告書の作成などを行います。
その他にも、修繕担当理事、広報担当理事、防災担当理事など、マンションの規模や必要に応じて様々な担当が設けられることがあります。 - 監事
理事会の業務執行の状況や、管理組合の会計(お金の使われ方)が適切に行われているかをチェックする、いわば管理組合の「監査役」のような役割です。
理事とは独立した立場で、不正がないか、規約や法令に則って運営されているかなどを監督します。
役員の選任方法については、通常、年に一度の総会で組合員の中から選ばれます。立候補する人がいればその中から、いなければ推薦や、あるいは住戸ごとに順番で担当する「輪番制」といった方法で選ばれるのが一般的です。役員の任期は、1年または2年としているマンションが多いようです。



役員の仕事は多くの場合、無報酬のボランティアで行われますが、マンション全体の資産とそこに住む人々の生活を守るという、非常に責任のある重要な役割だということです。
もし輪番制などで役員が回ってきた際には、できる限り積極的に協力しましょう。役員を経験することで、自分たちのマンションの運営状況や課題がよく分かり、管理への意識も高まるというメリットもあります。
しかし、近年では役員のなり手不足が深刻な問題となっているマンションも少なくありません。住民の高齢化や、仕事で忙しい現役世代が多いことなどが背景にあります。役員のなり手がいないと、一部の人に負担が集中したり、最悪の場合、理事会が機能不全に陥り、必要な管理が行われなくなる恐れも出てきます。
これは、管理の質の低下を招き、ひいては住民間の不公平感や不満を生み出すという悪循環の入り口になりかねません。役員のなり手不足は、マンション全体の価値を損なうことにも繋がりかねない重要な課題なのです。
理事会と総会とは
管理組合の意思決定は、主に「理事会」と「総会」という二つの会議を通じて行われます。
- 理事会
理事長、副理事長、理事などの役員で構成される会議です。
総会で決定された事項(例えば、年間の予算や事業計画など)を実行したり、日常的な管理業務(例えば、小規模な修繕の手配や住民からの要望への対応など)について話し合い、決定したりします。
通常、月に1回程度の頻度で定期的に開催されることが多いです。 - 総会
管理組合の最高の意思決定機関であり、マンションの区分所有者全員が参加する権利を持っています。
年に1回、必ず開催される「通常総会(または定期総会)」と、緊急の議題がある場合などに必要に応じて開催される「臨時総会」があります。
総会では、以下のようなマンションの運営に関する特に重要な事項が話し合われ、原則として出席した組合員の多数決(議案によっては、組合員総数および議決権総数の一定割合以上の賛成が必要な場合もあります)によって決定されます。
- 管理組合の活動報告、収支決算の承認
- 次年度の事業計画案、収支予算案の承認
- 管理費や修繕積立金の金額の変更
- 管理規約(マンションのルールブック)の制定・変更・廃止
- 大規模修繕工事の実施計画の承認や、工事業者の選定
- 役員(理事・監事)の選任・解任
総会は、マンションの将来を左右する重要な決定が行われる場です。
区分所有者であれば誰でも参加し、意見を述べることができます。
もし総会に出席できない場合でも、「委任状」を提出して他の組合員に議決権の行使を委任したり、「議決権行使書」を提出して事前に各議案への賛否を表明したりすることができます。
自分たちのマンションのことですから、ぜひ積極的に関心を持ち、意思表示をすることが大切です。
総会や理事会の運営に関する基本的なルールは、国土交通省が作成している「マンション標準管理規約」に示されており、多くのマンションでこの規約を参考に独自の管理規約が作られています。
管理組合の仕事内容
マンション管理組合の仕事は、住民が安全で快適に暮らせるように、またマンションの資産価値を維持するために、非常に多岐にわたります。主な仕事内容を具体的に見ていきましょう。
維持管理業務
マンションの共用部分(エントランス、廊下、階段、エレベーター、駐車場、駐輪場、ゴミ置き場、敷地内の緑地など)の日常的な清掃、定期的な点検、保守作業、そして不具合が生じた場合の修繕などを行います。また、敷地内の植栽の手入れなども含まれます。
会計業務(管理費・修繕積立金の集金と管理)
マンションの維持管理や将来の修繕にはお金が必要です。そのために、管理組合は区分所有者から毎月「管理費」と「修繕積立金」を集めます。
- 管理費: 日常的なマンションの管理に使われるお金です。例えば、共用部分の清掃費用、電気代や水道代、エレベーターの保守点検費用、管理会社に業務を委託している場合はその委託費用、そして後述する共用部分の火災保険料などがこれにあたります。
- 修繕積立金: 将来的に必ず必要となる大規模な修繕工事(例えば、10年~15年ごとに行われる外壁の塗り替えや屋上の防水工事、給排水管の取り替えなど)のために、計画的に積み立てていくお金です。
これらの大切なお金(収入)と、実際に使ったお金(支出)をきちんと管理し、帳簿につけ、定期的に(通常は毎月や毎年)、組合員に対して収支状況を報告します(月次収支報告書や年次決算報告書など)。
管理費 | 修繕積立金 | |
---|---|---|
目的 | 日常の維持管理、共用部分の運営 | 将来の大規模修繕工事、計画的な修繕 |
使途例 | 清掃費、共用部分の光熱費、エレベーター保守費、管理委託費、共用部分の保険料、小規模な修繕費など | 外壁塗装工事、屋上防水工事、給排水管更新工事、エレベーター改修工事など |



特に注意していただきたいのは「修繕積立金」です。
計画通りに積み立てられていないと、いざ大規模修繕工事が必要になった時に「お金が足りない!」という事態に陥りかねません。
そうなると、各区分所有者から一時的にまとまったお金(一時金)を集めたり、金融機関から借り入れをしたりする必要が出てくることもあります。
特に新築マンションの場合、販売時の月々の負担感を軽く見せるために、当初の修繕積立金額が低めに設定されているケースがあるので注意が必要です。国土交通省が公表している「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」などを参考に、自分たちのマンションの積立額が将来の計画に対して妥当かどうかを確認することが重要です。
国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」によると、修繕積立金の全国平均額は1戸あたり月額11,243円(駐車場使用料などからの充当額を含む場合は月額12,268円)となっています。ただし、これはあくまで平均であり、マンションの築年数、総戸数、階数、設備の状況などによって適切な金額は大きく異なります。一般的には、築年数が古くなるほど、また総戸数が少ないマンションほど、1戸あたりの負担額が高くなる傾向にあります。
長期修繕計画の作成と見直し
マンションという大きな建物を長持ちさせ、安全で快適な状態を維持するためには、計画的な修繕が不可欠です。「長期修繕計画」とは、将来にわたって、どのような修繕工事が、いつ頃必要になり、それにはどれくらいの費用がかかるのかを、長期的な視点(通常30年以上)でまとめた計画書のことです。この計画に基づいて、毎月の修繕積立金の額が決められます。
国土交通省のガイドラインでは、この長期修繕計画を少なくとも5年ごとには見直すことが推奨されています。なぜなら、物価や工事費の変動、新しい技術や工法の登場、マンションの劣化状況の変化などに応じて、計画を最新の状態に保つ必要があるからです。



長期修繕計画はマンションの「健康診断書」や「将来設計図」のようなものです。この計画がしっかりとしていて、それに基づいて修繕積立金が適切に運用されているかが、マンションの将来の資産価値や住み心地を大きく左右します。計画の内容と、それに見合った積立金が確保されているか、定期的にチェックすることが非常に重要です。
管理規約の作成・変更
マンションで共同生活を送る上での基本的なルールブックとなるのが「管理規約」です。この管理規約を作成し、社会状況の変化やマンションの実情に合わせて、必要に応じて見直し、変更していくのも管理組合の重要な仕事です。
その他
上記以外にも、住民間のトラブル(騒音、ペット、駐車場の使い方など)が発生した場合の対応、防災訓練の実施や防災備品の管理、マンション内の情報を住民に伝えるための広報活動(掲示板やお知らせの発行など)、必要に応じて行政機関(市役所など)との連絡調整なども管理組合の仕事に含まれます。
管理会社への業務委託
これらの多岐にわたる業務、特に会計処理や日常の清掃、専門知識が必要な設備の点検などは、管理組合の役員だけですべてを行うのは大変です。そのため、多くの管理組合では、これらの業務の大部分を専門の「マンション管理会社」に委託しています。
ただし、ここで重要なのは、業務を管理会社に委託したとしても、マンション管理の最終的な責任はあくまで管理組合(つまり区分所有者全員)にあるということです。管理会社に「丸投げ」してしまうのではなく、管理組合が主体となって、管理会社が契約通りに適切な業務を行っているかを監督し、良好なパートナーとして連携していくことが大切です。



管理会社への委託費用は、毎月の管理費の中で大きな割合を占めるのが一般的です。そのため、定期的に管理会社との契約内容や提供されている業務の質を見直し、費用対効果を検証することが重要です。
必要であれば、他の管理会社から見積もりを取って比較検討したり、管理会社そのものの変更を検討したりすることも、管理費の適正化や管理の質の向上につながる場合があります。
管理会社に任せきりにする「丸投げ」状態は、知らず知らずのうちに不要なサービスに費用を支払っていたり、管理の質が低下していたりするリスクを招く可能性があります。管理組合が主体性を持って関与することが、コストの適正化と質の高い管理サービスを確保する鍵となります。
マンション総合保険のお悩み、ご相談下さい。
マンション総合保険のこのようなことでお悩みではありませんか?


- 更新後の保険料が2倍になると案内された。
保険料を削減できる方法はないのでしょうか? - 契約中のマンション総合保険の保険料が高い。
途中で見直すことは出来ないのでしょうか? - 複数の保険会社から保険料を比較して加入したい!
- 初めて管理組合で保険に加入することを検討しているが、どのように進めれば良いか分からない!
もしも、マンション総合保険についてお悩みのことがあれば、どんなことでも構いませんので、お気軽にご相談下さい。
知っておきたい!マンション管理組合と法人化・税金・法律
マンション管理組合の運営には、不動産、税金、法律といった専門的な知識が関わってきます。
ここでは、特に知っておきたいポイントを解説します。
マンションの資産価値と管理組合
マンション管理組合の活動は、そのマンションの資産価値に非常に大きな影響を与えます。
適切な維持管理、例えば日々の清掃が行き届いていて共用部分が美しく保たれていたり、定期的な点検や計画的な修繕工事によって建物や設備の安全性が確保されていたりするマンションは、住み心地が良いだけでなく、中古物件として売買される際にも高く評価される傾向にあります。
逆に、管理が行き届いていないマンション、例えば、清掃が不十分で共用部分が汚れていたり、必要な修繕が先送りされて建物が老朽化していたり、修繕積立金が不足していたりするようなマンションは、住み心地が悪くなるだけでなく、資産価値も大きく低下してしまう可能性があります。



「マンションは管理を買え」という言葉があるほど、管理の質はマンションの価値を左右する重要な要素です。マンションを購入する際には、価格や立地、間取りだけでなく、そのマンションの管理状態(共用部分の清掃状況、修繕積立金の積立状況、総会の議事録の内容など)をしっかりとチェックすることが、将来後悔しないための大切なポイントです。
近年、国土交通省は「マンション管理計画認定制度」という制度を設けています。
これは、管理組合が作成したマンションの管理計画が一定の基準を満たしている場合に、地方公共団体(市区町村など)がその計画を認定するものです。この認定を受けると、住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」の金利優遇が受けられたり、マンションの管理状態が良いことの証明として市場での評価が向上したりといったメリットが期待できます。
管理組合の法人化とは?メリット・デメリットを解説
通常、マンション管理組合は法律上「権利能力なき社団(けんりのうりょくなきしゃだん)」という位置づけですが、一定の手続きを踏むことで「管理組合法人」として法人格(会社のような法律上の人格)を取得することができます。
法人化のメリット
- 管理組合法人名義での登記が可能に
法人化すると、集会所や駐車場といった管理組合の財産(不動産)を、理事長個人の名前ではなく「〇〇管理組合法人」という法人名義で登記(法的な登録)できるようになります。これにより、理事長が交代するたびに必要だった不動産の名義変更手続きや、それに伴う費用が不要になります。 - 契約関係の明確化・円滑化
銀行口座の開設や、修繕工事のための融資の申し込み、業者との契約などが、個人名義ではなく法人名義でスムーズに行えるようになります。これにより、取引の相手方からの信用度が高まることもあります。 - 理事長の負担軽減
契約や財産管理が法人名義で行えるようになるため、理事長個人の責任や事務的な負担が軽減される場合があります。 - 訴訟対応の円滑化
例えば、管理費を長期間滞納している区分所有者に対して法的な措置(訴訟など)を取る場合も、管理組合法人として対応しやすくなります。
法人化のデメリット
- 設立・運営の手間と費用
管理組合法人を設立するためには、法務局への設立登記が必要です。また、役員(理事など)が変更になった場合にも、その都度、変更登記の手続きが必要となり、これらの登記手続きには費用(司法書士への報酬など)がかかります。 - 事務作業の増加
法人になると、法律で定められた事務作業が増えます。例えば、毎年、財産目録を作成して事務所に備え置く義務などが生じます。
国土交通省が平成30年度に行った「マンション総合調査」によると、法人化している管理組合は全体の約13.2%にとどまっています。ただし、築年数が古いマンションほど法人化している割合が高い傾向にあり、これは長年の運営の中で法人化のメリットを感じるケースが出てくるためと考えられます。



管理組合の法人化は必ずしもすべてのマンションにとって必須ではありません。現在の管理組合の運営で特に大きな問題が生じていなければ、あえて法人化する必要はない場合も多いでしょう。
しかし、例えば管理組合で駐車場を運営していて外部との契約が多かったり、将来的に訴訟などの法的な対応が必要になる可能性が高いと考えられる場合などには、法人化のメリットが大きいこともあります。法人化を検討する際には、マンション管理士や司法書士といった専門家に相談し、自分たちのマンションにとって本当にメリットがあるのかどうかを慎重に判断することが大切です。
管理組合に法人税はかかるのか?
マンション管理組合と税金の関係で最も気になるのは、「法人税がかかるのかどうか」という点でしょう。
原則として、マンション管理組合(法人化していない「権利能力なき社団」の場合も、法人格を持つ「管理組合法人」の場合も同様です)が、区分所有者から徴収する管理費や修繕積立金といった、通常のマンション管理業務に伴う収入に対しては、法人税は課税されません。これは、管理組合が営利を目的とした団体ではないためです。
しかし、管理組合が「収益事業」とみなされる活動を行って利益を得た場合には、その利益部分に対して法人税が課税されることがあります。これは、管理組合が法人化しているかどうかに関わらず適用されます。
収益事業とみなされる可能性のある活動の例としては、以下のようなものがあります。
- マンションの駐車場や駐輪場、集会室などを、区分所有者以外の外部の人に有料で貸し出す場合
- マンションの敷地内に自動販売機を設置し、その売上から手数料収入を得る場合
- 屋上に太陽光発電設備を設置し、発電した電気を電力会社に売って収入(売電収入)を得る場合
もし管理組合がこれらの収益事業を行う場合には、税務署への届出や、毎年の確定申告といった手続きが必要になります。



管理組合で収益事業を検討する際には、得られる収益だけでなく、それに伴う税金の負担や会計処理の複雑さなども考慮に入れる必要があります。よくわからない場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
マンション管理組合に関連する法律 マンション管理適正化法とは
マンション管理組合の運営に関わる主な法律には、これまでにも触れてきた「区分所有法」の他に、以下のようなものがあります。
区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)
マンション管理組合の設立、運営、管理規約、総会、共用部分の範囲など、マンション管理の最も基本的なルールを定めた法律です(これまでの説明で何度も登場しましたね)。
マンション管理適正化法(マンションの管理の適正化の推進に関する法律)
マンションの管理の質をより一層向上させ、住民間のトラブルを未然に防ぎ、快適な居住環境を確保することなどを目的として制定された法律です。
この法律では、国や地方公共団体、管理組合、区分所有者、そしてマンション管理業者がそれぞれどのような役割を担い、責任を果たすべきかが定められています。
また、マンション管理に関する専門家である「マンション管理士」の資格制度を設けたり、マンション管理会社(管理業者)に対する登録制度や業務上の規制を定めたりといった内容も盛り込まれています。
さらに、地方公共団体(都道府県や市町村)が、その地域の実情に応じた「マンション管理適正化推進計画」を作成し、その計画に基づいて管理組合への指導や助言を行うことなども定められています。
この法律によって、マンション管理の透明性が高まり、より専門的な知識に基づいた適切な管理が行われるようになることが期待されています。
マンション建替え円滑化法(マンションの建替え等の円滑化に関する法律)
著しく老朽化が進んだマンションの建替えを、よりスムーズに進めるための手続きなどを定めた法律です。



これらの法律は一見難解に感じるかもしれませんが、すべては皆さんの大切な財産であるマンションを守り、快適な共同生活を実現するためのルールだということです。
法律の条文をすべて理解する必要はありませんが、国土交通省などが提供しているガイドラインや分かりやすいパンフレットなども参考にしながら、自分たちのマンション運営に関わる基本的なポイントは押さえておくと良いでしょう。
マンション管理組合の保険
マンション生活における「万が一」に備えるために、保険は非常に重要な役割を果たします。
なぜマンション管理組合に保険が必要になるのか?
マンションの共用部分は日々様々なリスクにさらされています。
例えば、火災、台風などの自然災害、給排水管の老朽化による水漏れ、設備の故障、さらに共用部分の不具合で第三者にケガをさせてしまうといった賠償事故などがあります。
これらの事故が発生した場合、修繕費用や賠償金は非常に高額になることがあります。
もし保険に加入していなければ、これらの費用はすべて管理組合の会計から支出されることになり、財政を大きく圧迫する可能性があります。
国土交通省の調査によると、マンションの共用部分に対する火災保険の加入率は約91%と高い一方、地震保険の加入率は約48%、水災補償の加入率は30%以下に留まっています。地震や水害に対する備えが十分でないマンションが多いのが現状です。
管理組合が加入する主な保険「マンション総合保険」とは
マンション管理組合が加入する代表的な保険が「マンション総合保険」です。この保険の対象となるのは、マンションの「共用部分」です。一般的に共用部分には、建物の構造部分(柱、壁、床スラブなど)、エントランスホールや廊下などの共用設備、駐車場などの付属施設、共用の配管・配線類などが含まれます。
基本的な補償内容(主契約)
- 火災、落雷、破裂・爆発
- 風災(台風など)、雹災、雪災
- 建物外部からの物体の落下・飛来・衝突
- 盗難による共用部分の設備の損害
主な特約(オプションで追加する補償)
- 水濡れ損害補償特約:共用部分の給排水管からの漏水による損害
- 水災補償特約:台風や集中豪雨などによる損害
- 地震保険:地震、噴火、津波による損害
- 施設賠償責任保険:共用部分の欠陥や管理上の不備で第三者に損害を与えた場合の賠償
- 役員賠償責任保険:役員の業務上のミスで管理組合や第三者に損害を与えた場合の賠償
- 個人賠償責任保険包括契約:マンション居住者全員の日常生活における賠償責任を一括で補償
あわせて読みたい




マンション管理組合の保険を徹底解説!保険料を安くする7つの方法とは?
マンション管理組合で加入している、マンション共用部分のための火災保険(マンション総合保険)は、毎年のように値上げが続いていて、その保険料の高さに驚かれる理事…
マンション居住者が個人で入るべき保険との違いと関係性
マンション管理組合の保険は主に「共用部分」を対象としているため、各住戸内部(専有部分)や家財については、居住者が個別に火災保険に加入する必要があります。また、日常生活における賠償責任に備えて個人賠償責任保険にも加入することが重要です。
居住者(区分所有者)の火災保険・地震保険
- 対象:自分の住戸内部の壁紙、床、天井、造り付けの設備など
- 家財の補償:家具、家電製品、衣類などの個人の所有物
- 地震保険:地震、噴火、津波による専有部分や家財の損害に備える
「失火責任法」により、隣の住戸から出火した場合でも、重大な過失がない限り損害賠償は請求できません。これは自分の財産は自分で守る必要があることを意味し、個人の火災保険の重要性を高めています。
管理組合の保険 | 個人の保険 | |
---|---|---|
保険の対象 | 主にマンションの共用部分(建物躯体、廊下、エレベーター、集会室、共用設備など)と、管理組合の賠償責任 | 主に自分の専有部分(住戸内)と家財(家具・家電など)、そして個人の賠償責任 |
契約者 | マンション管理組合 | 区分所有者(または賃借人)個人 |
主な目的 | マンション共用部分の補償、管理組合が負う賠償責任への備え | 個人の住まいと財産の補償、日常生活における万が一の賠償責任への備え |
マンション管理組合の保険選びのポイントと注意点
マンション管理組合の保険を選ぶ際には、以下の点に注意する必要があります。
中でも、複数の保険会社・複数の保険代理店から見積書をとり、比較検討することは非常に重要となります。
- マンションの実情(規模、築年数、立地条件など)に合わせた補償内容を選択する
- マンション保険に詳しい信頼できる保険代理店に相談する
- 自己負担額(免責金額)の適切な設定を検討する
- 定期的な見直しを行う
- 複数の保険会社から見積もりを取得して比較検討する
マンション管理組合向けの保険は、近年、毎年のように保険料の値上げが実施されています。
多くのご契約は5年契約となっていますが、更新時には保険料が2倍から3倍に上昇しているケースもあります。
あわせて読みたい




マンション総合保険はまた値上げに!保険を見直す具体的な方法を解説
2024年10月1日から火災保険料が値上げという報道を見かけた方も多いのではないかと思います。 2024年10月の火災保険料の値上げは、戸建て住宅、分譲マンション、企業の…
もし保険事故が発生した場合は、まず被害の拡大を防ぐための応急措置を取り、速やかに保険会社に連絡することが重要です。事故の状況を写真に撮るなど、証拠を残しておくことも忘れないようにしましょう。
マンション総合保険のお悩み、ご相談下さい。
マンション総合保険のこのようなことでお悩みではありませんか?


- 更新後の保険料が2倍になると案内された。
保険料を削減できる方法はないのでしょうか? - 契約中のマンション総合保険の保険料が高い。
途中で見直すことは出来ないのでしょうか? - 複数の保険会社から保険料を比較して加入したい!
- 初めて管理組合で保険に加入することを検討しているが、どのように進めれば良いか分からない!
もしも、マンション総合保険についてお悩みのことがあれば、どんなことでも構いませんので、お気軽にご相談下さい。
マンション管理組合のよくある悩みと解決のヒント
マンション管理組合の運営には、様々な悩みや課題がつきものです。ここでは、よくある悩みとその解決に向けたヒントをいくつかご紹介します。
管理費・修繕積立金の滞納問題
マンションの運営に不可欠な管理費や修繕積立金ですが、残念ながら一部の区分所有者による滞納が発生することがあります。
原因
単純な支払い忘れ、経済的な困窮、管理組合の運営方針に対する不満など。
影響
管理組合の財政悪化、計画していた修繕工事の遅延、他の組合員への不公平感の発生。
管理費・修繕積立金の滞納対策
- 段階的な督促(普通郵便→内容証明郵便)
- 経済的に困難な組合員には分割払いの提案
- 解決しない場合は法的措置(少額訴訟や支払督促)の検討
- 管理規約に遅延損害金に関する定めを設ける/



管理費等の滞納問題は、早期発見・早期対応が何よりも肝心です。
管理会社に任せきりにするのではなく、理事会で定期的に滞納状況を把握し、管理組合として毅然とした態度で臨む一方で、個別の事情にも配慮した対応を使い分けることが大切です。
住民トラブル(騒音、ペット、駐車場、ゴミ出しなど)
多くの人が共同で生活するマンションでは、生活習慣や価値観の違いから、様々な住民トラブルが発生しがちです。
原因
生活習慣の違いへの無理解、マンション内のルール認識の欠如、住民間のコミュニケーション不足。
影響
住環境の悪化、住民同士の関係の悪化、マンション全体の雰囲気の悪化。
住民トラブル対策
- 管理規約や使用細則で明確なルールを定める
- 掲示板や広報誌を通じてルールの周知徹底を図る
- 当事者間の話し合いが難しい場合は理事会が仲介役を務める
- 必要に応じて弁護士やマンション管理士などの専門家に相談



住民トラブルへの対応は、感情的な対立を避け、客観的な事実に基づいて冷静に対処することが求められます。また、日頃からマンション内で挨拶を交わしたり、イベントなどを通じて住民同士の顔が見える関係を築いておくことも、トラブルの予防や円滑な解決に繋がります。
役員のなり手不足・高齢化
マンション管理組合の運営を担う役員ですが、その「なり手」が不足している、あるいは役員の高齢化が進んでいるという悩みも多くのマンションで聞かれます。
原因
仕事や育児が忙しい、役員の責任が重そうで不安、高齢のため体力的に負担が大きいなど。
影響
一部の人に役員の負担が集中、理事会活動の停滞、管理の質の低下。
役員のなり手不足・高齢化対策
- 役員の任期や選任方法の見直し
- 役員報酬制度の導入検討
- 理事会の業務負担軽減(専門委員会の設置、外部専門家の活用)
- オンライン会議やITツールの活用
- 役員を経験することのメリットの積極的な周知



役員の負担をできる限り軽減し、多くの人が「自分にもできるかもしれない」と感じられるような、関わりやすい仕組みを作ることが、持続可能な管理組合運営の鍵となります。
「外部管理者方式」(区分所有者以外の専門家を管理者として選任する方式)も一つの選択肢ですが、住民自身がマンション運営への関心を失わないような工夫も必要です。
【ケーススタディ】知識不足で失敗した例、高齢の親の相続トラブル
失敗例1 修繕積立金の値上げを先送りし続けた結果、大規模修繕で大ピンチに…
Aマンションでは、長期修繕計画の見直しにより、将来の修繕費用が当初の想定よりも大幅に増加することが判明し、修繕積立金の値上げが必要な状況でした。しかし、総会で値上げ案を提案しても一部の住民から強い反対があり、また理事会も強く説得できずに、値上げが何度も先送りされてしまいました。
その結果、十数年後の大規模修繕工事の時期を迎えた際、積立金が大幅に不足していることが発覚。
工事費用を賄うために、各区分所有者から一度に数十万円から百万円以上の一時金を徴収せざるを得なくなったり、やむを得ず工事の範囲を縮小したり、グレードを下げたりする事態に。
住民の間には不満と不信感が広がり、マンションの資産価値にも影響が出てしまいました。
失敗例2 相続したマンションの管理費等が長期間滞納されていたことに気づかず…
Bさんは、遠方で一人暮らしをしていた高齢の父親が亡くなり、父親が住んでいたマンションの一室を相続しました。しばらくして管理組合から連絡があり、父親が生前に管理費と修繕積立金を数年間にわたって滞納しており、その総額が遅延損害金を含めて百万円を超えていることを知らされました。
Bさんは相続放棄も考えましたが、他の財産との兼ね合いもあり、結局滞納金を支払うことに。さらに、そのマンションを売却しようと考えましたが、管理費等の滞納があった事実は買い手にもマイナスイメージを与え、なかなか希望価格で売却できない状況に陥ってしまいました。



マンションを相続する際には、遺産分割協議だけでなく、そのマンションの管理費や修繕積立金の支払い状況、管理組合の運営状況(特に長期修繕計画や積立金の状況)なども必ず確認しましょう。
プラスの財産だけでなく、マイナスの財産(債務や負担)を引き継がないための重要な注意点です。
成功例 ITツール導入と積極的な情報開示で、住民参加型の管理組合運営を実現したC管理組合
C管理組合(総戸数約500戸、築3年)では、理事の業務負担軽減と、より多くの住民に関心を持ってもらうことを目指し、理事会運営にITツール(オンライン会議システム、クラウド型の情報共有サービスなど)を積極的に導入しました。総会の案内や資料、議事録なども管理組合の専用ウェブサイトで公開し、運営の透明性を大幅に向上させました。
その結果、これまで役員経験のなかった若い世代の住民からも役員への立候補が出るようになり、理事会での議論も活発化。修繕計画に関するアンケートの回答率も上がり、住民の意見を反映した計画がスムーズに進められるようになりました。結果として、住民の管理組合への満足度も向上し、良好なコミュニティ形成にも繋がっています。
まとめ マンション管理組合とは
ここまで、マンション管理組合の基本から、不動産・税金・法律、そして保険に至るまで、幅広く解説してきました。最後に、初心者の皆さんが押さえておくべき重要なポイントを整理し、より良いマンションライフを送るために今日からできることをご提案します。
重要ポイントの整理
- マンション管理組合は、あなたが購入した大切な住まい(マンション)とその資産価値を守り、すべての住民が快適に暮らせるようにするための、区分所有者全員による「共同運営組織」です。決して他人事ではなく、「自分たちのマンションを良くしていくためのチームの一員」として、関心を持つことが第一歩です。
- 毎月支払う管理費や修繕積立金は、日々の快適で安全な暮らしを支え、将来にわたってマンションの価値を維持するために不可欠な費用です。これらの大切なお金がどのように使われているのか、総会の資料や収支報告書などを通じて、定期的にチェックする習慣をつけましょう。
- 保険は、火災や自然災害、賠償事故といった「万が一」の大きな経済的負担から、管理組合(つまり私たち区分所有者全員)と私たち自身を守るための重要な備えです。管理組合がどのような保険に加入しているのか、そして自分自身が個人としてどのような保険に加入すべきなのかを正しく理解し、適切に備えることが大切です。
- 理事会や総会は、マンションのルールを決めたり、将来の計画を立てたりする、いわば「マンションの未来を決める大切な会議」です。積極的に参加したり、自分の意見を伝えたりすることで、より良いマンションライフの実現に繋がります。
次に取るべき具体的な行動
- あなたのマンションの「管理規約」と「使用細則」を読んでみましょう。そこには、ペットの飼育ルール、ゴミ出しのルール、駐車場の使い方など、あなたのマンションで暮らす上での大切な約束事が書かれています。
- 次回の「総会のお知らせ」が届いたら、ぜひ内容をよく確認し、可能であれば出席してみましょう。もし出席できない場合でも、議案に対する自分の考えを「議決権行使書」で表明したり、「委任状」を提出したりすることで、意思決定に参加することができます。
- 管理費や修繕積立金の収支報告書に一度目を通し、お金の流れを把握してみましょう。どのようなことにお金が使われているのか、修繕積立金は計画通りに積み立てられているのかなどを知ることができます。
- マンション管理組合とご自身が加入している火災保険や賠償責任保険の契約内容を再確認し、必要な補償が十分か、不足がないかチェックしてみましょう。保険の更新を迎えるタイミングでは複数の保険代理店から見積もりを取るようにしましょう。
- マンションの管理や保険について、もし分からないことや疑問に思うことがあれば、まずはマンションの管理会社や管理組合の役員の方に質問してみるのがよいでしょう。それでも解決しない場合や、より専門的なアドバイスが欲しい場合には、FP(ファイナンシャルプランナー)やマンション管理士といった専門家に相談することを検討してみてください。
あなたのほんの少しの関心と、小さな行動の一つひとつが、マンション全体の住みやすさの向上と、大切な資産価値の維持・向上に確実に繋がっていきます。難しく考えずに、今日からできることから、ぜひ始めてみませんか。