火災保険と家財保険の違いとは?補償範囲と選び方をやさしく解説


火災保険に入っているから、何があっても安心!
そんなふうに思っていませんか?
実は、火災保険に加入していても、家の中にある家具や家電といった「家財」が補償されないケースがあります。



てっきり、建物と一緒に補償してもらえるものだと思っていたよ…。
「建物と一緒に、家の中のものも全部カバーされている」と思っていた方も多いのではないでしょうか。
しかし、契約内容を正しく理解していないと、いざという時に「こんなはずじゃなかった…」と後悔することになりかねません。
この記事では、FP(ファイナンシャルプランナー)の視点から、火災保険と家財保険の違いを「うちはどうすればいいの?」という疑問に答える形で、わかりやすく解説します。
目次
火災保険と家財保険、一番大事な違いはここ


結論から言うと、火災保険の「建物」の補償と「家財」の補償は、守る対象がまったく異なります。
建物だけの契約では、家の中の家具や家電は補償されません。
火災保険と家財保険の違いとは、簡単にいえば「建物そのものを守るか、家の中のモノを守るか」の違いです。


FPとして相談の現場でよく見かけるのが、「火災保険に入っていれば全部補償されると思っていた」というケースです。
実際には、火災保険の契約時に「建物のみ」「家財のみ」「建物+家財」のいずれかを選ぶ仕組みになっています。
この選択を見落としていると、いざというときに「家の修理費は出たけど、家具を買い直すお金がない」という事態になりかねません。
特に注意していただきたいのが、住宅ローンを組んだときに火災保険に加入した方です。
融資の条件として加入を求められる火災保険は、金融機関にとっての「担保=建物」を守ることが目的のため、補償の対象が「建物のみ」になっていて家財が含まれていないケースがとても多いのです。
もし保険証券を確認して「建物のみ」だった場合は、
- 今の保険会社に家財の補償を追加する
- 家財だけの火災保険を別に契約する
という対応をすれば、家の中のモノもしっかり守ることができます。
火災保険の補償対象とは?建物・家財・明記物件の3つを解説
ここで押さえておきたいポイントは3つです。
1| 建物を守るための補償(建物)
まずは、住まいそのものを守るための補償です。
対象となるのは、壁・屋根・床・基礎といった建物の骨格部分に加え、
エアコンやシステムキッチン、トイレ、浴槽などの「建物に固定されている設備」です。
つまり、“家そのもの”に関わる部分が建物の補償に含まれます。。
【建物に含まれるもの】
- 壁、屋根、床、基礎などの構造部分
- ドア、窓、シャッターなどの建具
- エアコン、給湯器、システムキッチン、トイレ、浴槽などの備え付け設備
- 床暖房やビルトイン食洗機などの固定設備
また、“建物”の補償は、住宅本体だけでなく敷地内の付属建物まで対象になるケースがあります。
【付属建物の例】
- 物置、倉庫
- 車庫(ガレージ、カーポート)
- 門、塀、フェンス
- 離れ、プレハブ小屋
ただし、物置や倉庫、車庫などの付属建物は、すべてが自動的に建物で補償されるわけではありません。
一定の大きさを超える物置や倉庫などは、「個別に契約が必要」になるケースがあります。
2| 生活に必要なモノを守るための補償(家財)
次に、日常生活で使う「モノ」を守る補償です。
家財とは、簡単に言うと家の中にある“動かせるもの”すべてを指します。
つまり、建物に固定されていないものであれば、基本的には家財に該当します。
【家財に含まれるもの】
- 家具(ソファ、ベッド、テーブルなど)
- 家電製品(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、パソコンなど)
- 衣類、バッグ、靴
- 食器、調理器具
- 寝具(布団、毛布など)
- 子どもの学習道具(ランドセル、学習机など)
- 趣味・娯楽用品(ゴルフクラブ、釣り道具、スキーなど)
- 自宅内で保管しているタイヤ(スタッドレスタイヤなど)
3| 高額品を守るための特別な補償(明記物件)
さらに注意したいのが、高額な貴重品です。
高額貴金属といわれる、1個または1組で30万円を超える場合、
契約時に「明記物件」として申告しておかないと補償対象になりません。
【明記物件の例】
- 貴金属(指輪、ネックレスなど)
- 腕時計(高級ブランドなど)
- 美術品、骨董品
- 宝石類



つまり、火災保険の契約内容を確認して、「建物」と「家財」の両方がカバーされているかをチェックすることが大切です!



家の中にあるものは、「建物」の補償対象にはならないんだね!
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「補償される家財」と「対象外の家財」の境界線を知っておこう


ここまで、家財とは「家の中にある動かせるものすべて」とお伝えしてきました。
しかし実務上は、家財に該当するからといって、すべてが保険の補償対象になるわけではありません。
つまり、
「家財に含まれるもの」と「保険で補償されるもの」は必ずしもイコールではないという点に注意が必要です。
「補償されると思っていたのに対象外だった…」という後悔を防ぐためにも、この境界線をしっかり理解しておきましょう。
火災保険の家財で「補償される」家財
下記の家財は、火災保険で家財に加入すれば「補償される」代表的な家財です。
- テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン(据え置き型)などの家電製品
- ソファ、ベッド、タンス、食器棚などの家具。衣類、布団、カーテンなどの日用品
- パソコン、タブレット、カメラなどの電子機器。食器やお鍋などのキッチン用品
- 自転車(建物内に収容されている場合)
火災保険の家財で「補償されない」家財
下記の家財は、火災保険で家財に加入しても「補償されない」代表的な家財です。
- 自動車やバイク(自動車保険で別途カバー)
- 現金や有価証券、クレジットカード
- データやソフトウェア(パソコン本体は対象でも中のデータは対象外)
- 商品や什器(お店の商品や業務用の設備は、住宅用の家財保険では対象外で、別の事業用保険で備える必要があります)
- ペットなどの動物
特に注意していただきたいのが、先ほども触れた「明記物件」の取り扱いです。
1個または1組の価額が30万円を超える貴金属、宝石、美術品、書画、骨董品などは、契約時に保険証券に記載しておく必要があります。
記載を忘れると、火災や盗難にあったときに補償されないことがあります。結婚指輪やブランド品の時計など、心当たりのある方は必ず確認してください。
エアコンや照明はどっち?「持ち主」で変わる建物と家財の判断基準
相談の現場で特によくいただくのが、
「エアコンや照明は建物と家財、どちらに含まれるのか?」という質問です。
一見すると分かりにくいポイントですが、実はこの違いは、
“誰が所有しているか(持ち主)”によって判断されるのが基本です。
自分が所有している住宅であれば、壁に固定されたエアコンや、天井に設置された照明器具などは、建物の一部として扱われます。
賃貸では、「大家さんの所有物か、入居者の所有物か」によって区分されます。
・大家さんが設置しているエアコンや照明
→ 建物の一部として扱われ、大家さんの火災保険で補償
・入居者が自分で購入・設置したエアコンや照明
→ 入居者の所有物となり、「家財」として補償対象
| 大家さんの火災保険【建物】 | 入居者の火災保険【家財】 | |
| 大家さんが設置している | 〇 | ー |
| 入居者が自分で購入・設置した | ー | 〇 |
このように、同じエアコンでも“持ち主が誰か”によって、建物にも家財にもなり得るのです。



このあたりは保険会社や契約内容によって細かな違いがありますので、不安な場合は保険会社に直接問い合わせるのが確実です。
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家財の補償はいくら用意すべき?家族構成で変わる「ちょうどいい金額」の見つけ方


結論から言うと、家財の補償金額(保険金額)は、世帯主の年齢と家族の人数によって大きく異なります。
単身世帯なら約300万円、夫婦と子ども2人の4人家族(世帯主40歳前後)なら約1,100万〜1,300万円が目安です。
「そんなにかかるの?」と驚かれる方がほとんどですが、家の中のモノをひとつずつ数えてみると、その金額には納得がいくはずです。
試しに「わが家の家財」を書き出してみると……
家財の補償金額とは、「もし今、家の中のものを全部失ったら、同じものを新品で買い直すのにいくらかかるか」という金額のことです。
専門用語では「再調達価額(さいちょうたつかがく)」と呼ばれますが、つまりは”買い直し費用の総額”です。



「うちはそんなに高いモノは置いていないから」と思う方も多いのですが、FPとして保険の相談に乗っていると、実際に書き出してみて驚かれるケースが大半です。
たとえば、大人2人・子ども2人の4人家族(世帯主35歳前後)の場合、主な家財をカテゴリーごとに見てみましょう。
家具・インテリア(約126万円)
食器棚、本棚、学習机、ベッド、ダイニングテーブルとイス、カーテン、じゅうたんなど。
ひとつひとつは数万円でも、家族4人分の家具を合計するとあっという間に100万円を超えます。
家電製品(約97万円)
冷蔵庫、洗濯機、テレビ、電子レンジ、掃除機、エアコン、パソコン、デジタルカメラなど。
最近は大型冷蔵庫だけで20万円前後しますし、パソコンも10万〜15万円は当たり前です。
台所用品(約51万円)
炊飯器、電気ポット、食器、鍋やフライパン、包丁やまな板など。
ひとつひとつは小さな出費ですが、全部揃え直すとなるとまとまった金額になります。
衣類・身の回り品・大人分(約388万円)
スーツ、コート、礼服、普段着、下着類、靴、バッグ、腕時計など。
特に夫婦2人分のスーツやコート、冠婚葬祭用の衣類まで含めると、衣類だけで数百万円に達します。ブランド品のバッグや腕時計をお持ちの方は、さらに上乗せが必要です。
衣類・身の回り品・子ども分(約118万円)
学生服、ランドセル、通学バッグ、おもちゃ、普段着、靴、スニーカーなど。
成長に合わせて買い替えた分を再購入すると考えると、意外と大きな金額になります。
寝具類(約30万円)
布団一式、毛布、マットレス、枕など。家族4人分を一度に買い直すと、決して安くはありません。
趣味用品(約39万円)
ゴルフクラブ、スキー用品、釣り道具など。
趣味をお持ちの方は、この金額がさらに膨らみます。
書籍・CD・DVD類(約42万円)
本棚いっぱいの書籍、CDやDVDのコレクション、アルバムなど。
長年かけて集めたものほど、失ったときの再購入費用は大きくなります。
これらをすべて合計すると、このケースでは約890万円になります。
ここに含まれていない家財(ペット用品、ガーデニング用品、季節家電など)や、物価の上昇を考慮すると、実際には1,000万円前後になることも珍しくありません。



えっ!そんなにあるんだね!



冷蔵庫ひとつで20万円、パソコンで15万円。
ひとつずつは「まあ、そのくらいか」と思える金額でも、家中のモノを全部足し算すると、車1台分を軽く超えてしまうのです。
世帯主の年齢と家族の人数で見る「家財評価額の目安」
保険会社では、世帯主の年齢と家族構成をもとに、標準的な家財の総額(家財評価額)を算出する「簡易評価表」を用意しています。
以下は、損害保険会社が公表している目安の一例です。
| 世帯主の年齢 | 独身世帯 | 2人(大人のみ) | 3人(大人2人+子ども1人) | 4人(大人2人+子ども2人) | 5人(大人2人+子ども3人) |
|---|---|---|---|---|---|
| 25歳前後 | 300万円 | 490万円 | 580万円 | 670万円 | 760万円 |
| 30歳前後 | 300万円 | 700万円 | 790万円 | 880万円 | 970万円 |
| 35歳前後 | 300万円 | 920万円 | 1,000万円 | 1,090万円 | 1,180万円 |
| 40歳前後 | 300万円 | 1,130万円 | 1,220万円 | 1,310万円 | 1,390万円 |
| 45歳前後 | 300万円 | 1,340万円 | 1,430万円 | 1,520万円 | 1,610万円 |
| 50歳前後以上 | 300万円 | 1,550万円 | 1,640万円 | 1,730万円 | 1,820万円 |
※金額は再調達価額(今、同じものを新品で買い直した場合の金額)の目安です。保険会社によって算出基準は多少異なります。
この表を見ると、年齢が上がるほど評価額が高くなっていることに気づきます。
これは、生活年数が長くなるほど家具や家電、衣類、趣味の道具などが増えていくためです。
たとえば、50歳前後で夫婦と子ども2人のご家庭であれば、家財の評価額は約1,730万円。
仮にすべてを失った場合、これだけの金額を貯蓄から捻出するのは、多くの家庭にとって大きな負担になるはずです。
実際に保険の見直し相談をされた方からは「表を見て初めて、うちの家財がこんなに高いと知りました。補償金額を適正に設定し直せてよかったです」という声をよくいただきます。



まずは上の表でご自身の目安額を確認するところから、始めてみてください。
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結論から言うと、持ち家の方は「建物+家財」のセット加入を、賃貸の方は「家財+借家人賠償責任補償」への加入を基本に考えましょう。
まずは、ご自身の状況を確認するところから始めてみてください。
持ち家(一戸建て・分譲マンション)の方がやること
今の火災保険の保険証券を手元に用意してください。
引き出しの中や、契約時の書類ファイルに入っていることが多いです。
STEP
火災保険の保険証券を手元に用意する
引き出しの中や、契約時の書類ファイルに入っていることが多いです。
STEP
保険証券の「保険の対象」という欄を確認する
ここに「建物」とだけ書かれていて「家財」の記載がなければ、家の中のモノは補償されていません。この場合、家財の補償を追加する検討が必要です。



保険会社に電話またはWebサイトから問い合わせれば、既存の契約に家財補償を追加できるか確認できます。
STEP
家財の保険金額(補償の上限額)を決める
保険金額の決め方には「簡易評価」と「積算評価」の2つがあります。
- 簡易評価
家族構成や世帯主の年齢から一般的な家財の総額を算出する方法(目安がわかりやすい) - 積算評価
実際に家の中にあるものをひとつずつリストアップして合計する方法(より正確な金額が出せる)



迷ったら、まず簡易評価の目安をベースに、自宅に高額な家電や家具がある場合は少し上乗せする形で検討するのがおすすめです。
ここで大切なのが、保険金額の基準を「再調達価額」で設定することです。
STEP
特約(オプション)を検討する
お住まいの地域のハザードマップを確認して、水害リスクが高い地域なら水災補償を、地震が心配なら地震保険をセットで加入することをおすすめします。
地震保険は火災保険とセットでのみ加入でき、地震や津波による損害は火災保険だけでは補償されない点に注意してください。



ハザードマップは、お住まいの市区町村のホームページから無料で確認できます。
賃貸住宅にお住まいの方がやること
賃貸物件にお住まいの方にとって、家財保険は特に重要です。
なぜなら、賃貸には「原状回復義務」があるからです。
もし火災で部屋を損傷させてしまったら、大家さんに対して修理費用を損害賠償として支払わなければなりません。
過去には1億円近い賠償責任を負ったケースも報告されており、決して他人事ではありません。
賃貸の火災保険は通常、3つの補償がセットになっています。
- 家財補償:自分の家具や家電を守るもの
- 借家人賠償責任補償:火災や水漏れで大家さんの建物を損傷させてしまったときの賠償に備えるもの
- 個人賠償責任保険:日常生活で他人にケガをさせたり、他人のモノを壊してしまったときに備えるもの
例)洗濯機の水漏れで階下の住人の家財を濡らしてしまった場合、この保険でカバーできます。
賃貸の場合、入居時に不動産会社から火災保険を勧められることが多いですが、実は自分で保険会社やプランを選んで加入することもできます。



不動産会社指定の保険が割高だと感じたら、補償内容を比較した上で、別の保険を検討してみてください。
具体的な手順は以下のとおりです。
- 保険証券で補償内容と保険料を確認
- 複数の保険会社の見積もりをインターネットで取り寄せる
- 補償内容が同等以上で保険料が安いプランがあれば、次の更新時に切り替えを検討する
保険料を抑えるポイントは、以下が挙げられます。
- 家財の補償金額を実態に合った適切な額に設定する(必要以上に高い金額にしない)
- 不要な特約を外す
- 保険期間を2年にまとめると割安になるケースがある
- ダイレクト型(インターネット申込型)の保険を比較検討する



賃貸の火災保険は年間4,000円を下回るプランもありますので、まずは今の契約内容と保険料を把握するところから始めてみてください!
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結論から言うと、家財保険は「入っていてよかった」と思う場面が、火事だけでなく日常生活にもたくさんあります。ここでは、実際に相談の現場でよく見かけるケースをもとにした事例をご紹介します。
事例1:落雷でパソコンと家電がまとめて壊れたAさん一家
- Aさん(48歳・会社員)
- 妻と中学生の娘の3人家族
- 一戸建てで暮らす
ある夏の夕方、突然の雷雨が自宅周辺を襲いました。
「バリバリッ」という激しい音がしたかと思うと、家中の電気が一瞬消えました。
雷が収まった後に確認すると、リビングのテレビ、書斎のパソコン、Wi-Fiルーター、そしてインターホンが動かなくなっていました。
近所への落雷による「雷サージ」という過電流が、電線や電話線を通じて家の中の電子機器を壊してしまったのです。



パソコンの中に娘の受験の資料も入っていたのに……。
全部買い直したらいくらかかるんだ。
修理の見積もりの結果、以下の金額が提示されました。合計で約31万円の出費です。
- テレビの買い替え:15万円
- パソコン:12万円
- ルーター:1万5千円
- インターホンの修理:3万円
しかし、Aさんは火災保険で「建物+家財」の補償に加入していました。落雷による家電製品の損害は家財補償の対象です。
保険会社のコールセンターに電話して事故の報告をした後、被害状況の写真を撮り、壊れた家電の型番と購入時期をメモして書類を提出しました。
約2週間後に保険金が振り込まれ、家電をすべて買い直すことができました。



正直、火災保険って火事のときだけのものだと思っていました。
まさか雷の被害にも使えるとは。
娘からは『パパ、保険に入っててくれてありがとう』って言われましたよ!
事例2:水漏れ被害で途方に暮れたBさんの体験
- Bさん(52歳・パート勤務)
- 夫と2人暮らし
- 賃貸マンションで暮らす
ある朝、仕事から帰宅すると、リビングの天井から水が滴り落ちていました。
上の階の入居者の洗濯機の排水管が詰まり、水漏れが発生していたのです。
リビングのカーペットはびしょ濡れ。
その上に置いてあった木製のテレビ台は水を吸って変形し、テレビも水がかかって電源が入りません。
寝室まで水が回り、布団一式もカビの心配があるため使えない状態でした。



もう泣きたかったです。
全部買い替えたらいくらかかるんだろうって、怖くて計算もできませんでした。
翌日、管理会社に連絡しましたが、「上の階の方の過失なので、まずはご自身の保険会社に相談してください」と言われたそうです。
Bさんは入居時に加入した火災保険に家財補償が含まれていることを思い出し、次の行動をとりました。
- 保険証券に記載されていた保険会社の代理店に電話
- 水濡れによる家財の損害は補償の対象であることを確認
- 代理店の担当者の案内に従い、被害を受けた家財のリストと写真を提出
- 購入時のレシートが残っていたものはそれも添えて請求
約3週間後に約25万円の保険金を受け取ることができました。
しかし、Bさんにはひとつ後悔がありました。



実は、主人のブランド品の時計も水で壊れてしまったんです。
でも、これは『明記物件』として申告していなかったので補償対象外でした。30万円を超える貴金属は事前に保険証券に記載しておかないといけないなんて、そのとき初めて知りました。
今度の契約更新では、忘れずに申告するつもりです。
この事例からわかるように、高額な貴金属や美術品をお持ちの方は、契約時に明記物件として申告しておくことが大切です。



また、万が一の被害に備えて、家財の写真を撮っておいたり、購入レシートを保管しておくと、保険金の請求がスムーズに進みます。
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結論から言うと、家財保険について誤解されやすいポイントはいくつもあります。ここでは、相談窓口でよくいただく質問に、端的にお答えします。
この記事のまとめ——今日からできる「安心」への一歩


この記事でお伝えした内容を3つにまとめます。
- 火災保険の「建物」の補償だけでは家の中のモノは守れない
家具、家電、衣類などの家財を守るには、家財の補償に加入する必要があります。
火災保険と家財保険の違いを正しく理解しておきましょう。 - 家財の損害は火災だけでなく、落雷、水漏れ、台風、盗難など日常的なリスクからも発生する
家財をすべて買い直すと数百万円以上かかることもあり、保険で備えておく安心感は大きいものです。 - 持ち家でも賃貸でも、今の契約内容を確認することが大切
特に賃貸の方は、借家人賠償責任補償と個人賠償責任保険が含まれているかをチェックしてください。
まずはご自宅の火災保険の保険証券を探して、「保険の対象」欄を確認してみてください。
「建物のみ」になっていたら、家財の補償の追加を検討するタイミングです。
保険証券が見当たらない場合は、保険会社に電話すれば契約内容を教えてもらえます。



判断に迷ったら、保険会社の相談窓口や、お住まいの地域のFP(ファイナンシャルプランナー)の無料相談を活用してみることをおすすめします。




