マンション管理組合の役員賠償リスクとは?補償内容と注意点を解説

理事になったものの、トラブルが起きたとき自分が訴えられるリスクがあるとは思っていなかった。

マンション管理組合の役員を引き受けた方から、こういった声を耳にすることがあります。

総会での議決をめぐる対立管理費の使途に関する住人からのクレーム個人情報の漏えい事故

管理組合の役員は、こうした予期せぬトラブルが原因で、住人や組合から損害賠償を請求される可能性があります。

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「善意でボランティア的に引き受けた役職なのに、なぜ訴えられるの?」と感じる方もいるかもしれません。

しかし法律上、管理組合の役員には一定の責任が課されており、職務上の判断ミスや情報管理の不備が問題になるケースが実際に存在します。

この記事では、マンション管理組合の役員賠償に関するリスクの全体像補償対象となる可能性がある内容補償されないケース加入前に確認すべきポイントをわかりやすく整理しています。

現在加入している保険の見直しや、新たに特約を検討する際の参考としてお役立てください。

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目次

マンション管理組合の役員賠償とは?初心者にもわかりやすく解説

マンション管理組合の役員賠償(役員賠償責任)とは

理事長・副理事長・理事・監事などの役員が、管理組合の業務に関連した行為によって住人や組合から損害賠償を請求された場合に生じる金銭的な責任

たとえば会社でいう「取締役の賠償責任」と似た概念で、役員が職務上の判断や行動において適切な注意を怠った(いわゆる善管注意義務違反)と判断された場合、個人として損害賠償責任を負う可能性があります。

管理組合の役員は、多くの場合、区分所有者の中から持ち回りで選出されており、ボランティア的な立場で運営に携わっています。

しかし法律上(区分所有法など)は一定の義務を担っており、その職務の範囲内で起きたトラブルについては、役員個人が訴えられるケースもあります。

こうしたリスクに備えるため、マンション管理組合が加入する火災保険に「役員賠償に備える特約」を付加するケースが増えています。

この特約は、損害賠償金そのものだけでなく、弁護士費用・法律相談費用・初期対応費用・情報漏えい対応費用なども補償対象となる場合があります。

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一方で、一般的な火災保険(建物・共用部分の補償)や個人賠償責任保険とは補償の範囲が異なります。

役員個人の行為に起因する賠償リスクをカバーするという点で、独自の位置づけを持つ保険・特約です。

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  • 初めて管理組合で保険に加入することを検討している・自主管理だが、どのように進めれば良いか分からない!

もしも、マンション総合保険についてお悩みのことがあれば、どんなことでも構いませんので、お気軽にご相談下さい。

なぜマンション管理組合の役員賠償保険が必要とされるのか

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役員は「無償のボランティア」でも訴えられる可能性がある

管理組合の役員は、多くの場合、報酬のないボランティア的な立場でその役割を担っています。

しかし、住民間のトラブルや管理費の使途をめぐる問題が訴訟に発展した際には、善意で職務を行っていたとしても、法的責任が問われる可能性があります。

日本では民法や区分所有法に基づき、役員は「善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)」を果たすことが求められています。この義務を怠ったと判断されれば、損害賠償責任を問われる可能性があります。

訴訟に至らなくても、対応費用は発生する

住人から正式な訴訟を起こされなくても、損害賠償請求のおそれがある状況が発生した段階で、弁護士に相談したり、初期対応のための費用(お詫び品の購入など)が必要になる場合があります。

こうした「訴訟前の費用」も、実際には相当な額になることがあります。

個人情報の管理リスクが高まっている

管理組合は区分所有者の氏名・住所・連絡先などを管理しています。

これらの情報が誤って外部に漏えいした場合、プライバシー侵害として損害賠償を請求されるリスクがあります。

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近年はパソコンやスマートフォンを通じた情報漏えい事故も報告されており、デジタル管理が普及するほどリスクも増加しています。

無償で引き受けたとしても訴えられるリスクがあるんだね。

ADR(裁判外紛争解決)の費用も増えている

住人との話し合いがまとまらない場合、裁判所に頼る前にADR(裁判外紛争解決制度)と呼ばれる専門機関を利用するケースがあります。

この手続きにも費用がかかるため、管理組合として事前に補償を確認しておくことが重要です。

ADR(裁判外紛争解決手続)の流れ

政府広報オンライン『法的トラブル解決には、「ADR(裁判外紛争解決手続)」』

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役員賠償に備える保険・特約で補償対象となる可能性がある主な内容

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以下の表は、一般的な役員賠償に備える特約で補償対象となる可能性がある費用の種類をまとめたものです。

実際の補償内容・支払い可否は、契約内容・約款・事故状況によって異なります。

必ず加入前に保険証券や重要事項説明書を確認してください。

補償の種類内容
損害賠償金・争訟費用役員が管理組合業務に関連した行為で法律上の賠償責任を負った場合の賠償金や弁護士費用など
初期解決費用賠償請求のおそれがある状況が判明した段階で、解決に向けて支出した費用(お詫びの品・見舞金など)
情報漏えい対応費用個人情報の漏えい事故が発生した場合に、被害者への通知・お詫び状の作成・見舞品購入などで発生した費用
紛争解決費用(弁護士相談等費用)住人が管理規約等に違反したことによるトラブルで、管理組合が弁護士相談やADRの利用に支出した費用
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上記はあくまで補償対象となる可能性のある費用の例です。補償可否は個別の契約内容・約款・事故の状況によって判断されます。

保険の加入前にしっかり保険証券や重要事項説明書に目を通すことが大切だね。

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補償されない可能性があるケース

役員賠償に備える特約には、補償対象外となる場合が定められています。
以下のようなケースでは、保険金が支払われない可能性があります。

加入前に約款・重要事項説明書で必ず確認してください。

  • 故意・違法行為による損害

    役員が意図的に不正を行ったり、他人に損害を与えることを認識しながら行動した場合は、補償対象外となることが一般的です。たとえば、管理費を私的に流用した場合や、事実と異なることを知りながら行った行為などは、補償されません。
  • 身体の障害・財物の損害に起因する賠償請求

    役員賠償に備える特約は、あくまで「職務上の賠償責任」を対象とするものです。そのため、けが・死亡・財物の損壊・盗難などに起因する賠償請求は、補償対象外となります。こうしたリスクは、別途の賠償責任保険(共用部分賠償特約など)でカバーする必要があります。
  • 保険開始前の行為に起因する賠償請求

    保険期間が始まる前に行われた行為や、すでにトラブルが発生していた状況に起因する賠償請求は、補償対象外となることが一般的です。
  • 知的財産権・権利侵害に起因する賠償請求

    著作権・商標権・特許権などの侵害に起因する損害賠償請求は、一般的に補償対象外です。
  • 役員と世帯を同じくする親族からの賠償請求

    同居家族など、役員と世帯を共にする親族からの賠償請求は補償対象外となる場合があります。
  • 自然災害・戦争・汚染物質など

    地震・噴火・津波・洪水、戦争・暴動・汚染物質の流出、放射性物質などに起因する損害は補償対象外です。
  • 必要な手続きを怠った場合

    事故が発生した際に、速やかに保険会社または代理店に連絡せず、独自に損害賠償を承認した場合は、保険金が減額されたり支払われない場合があります。事故発生時の連絡・手続きは迅速に行うことが重要です。

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もしも、マンション総合保険についてお悩みのことがあれば、どんなことでも構いませんので、お気軽にご相談下さい。

よくある事故・トラブル事例

事例1:総会での決議をめぐって理事が名誉棄損で訴えられたケース

マンションの定期総会で、修繕工事の予算をめぐって理事と住人の間で激しい言い争いが発生しました。その後、住人が「総会での発言で名誉を傷つけられた」として、理事個人に対して慰謝料を請求しました。

法的な対応が必要になる場合、弁護士への相談費用・訴訟対応費用が発生します。

また、賠償責任が認められた場合は損害賠償金の支払いが求められることもあります。

役員の職務上の行為に起因する賠償請求として、争訟費用損害賠償金が補償対象となる可能性があります。ただし、役員個人の私的な発言や暴言など、職務の範囲を超えた行為については補償対象外となる可能性もあります。補償可否は契約内容によって異なります。

事例2:管理費の支出をめぐって理事長が住人から返還請求を受けたケース

理事長が承認した修繕費用の支出について、「金額が不当に高い」「業者選定が不透明だ」として、住人から管理組合への返還を求める請求が行われました。

弁護士費用・訴訟費用のほか、裁判所から返還命令が出た場合には賠償金が発生する可能性があります。

また、初期対応の段階でも法律相談費用が必要になることがあります。

管理組合業務に起因した賠償請求として補償対象となる可能性があります。ただし、理事長が不当に私的利益を得た行為や、故意による不正支出などは、補償対象外となる場合があります。

事例3:役員が組合員名簿を誤って漏えいさせたケース

副理事長が管理しているパソコンがウイルスに感染し、保存していた区分所有者の氏名・住所・電話番号などが含まれた名簿が外部に流出しました。その後、住人宛にダイレクトメールが届くなどの被害が発生しました。

プライバシー侵害として複数の住人から損害賠償を請求される可能性があります。また、被害者への通知・お詫び状の送付・見舞品の購入などの対応費用も発生します。

情報漏えい対応費用として、被害者への通知費用・詫び状の作成費用・見舞金などが補償対象となる可能性があります。ただし、補償には被害者ごとの限度額や保険期間を通じた上限額が設けられていることが一般的です。

事例4:管理費滞納への対応が遅れて債権が時効になったケース

理事長が管理費滞納者への督促を書面送付だけにとどめ、法的な支払督促の申立てを行わなかった結果、管理費債権が時効を迎えてしまいました。住人側から「職務怠慢だ」として理事長個人に損害賠償が請求されました。

損害賠償金のほか、弁護士費用・訴訟対応費用が発生する可能性があります。

善管注意義務違反に基づく賠償請求として補償対象となる可能性があります。ただし、役員の重大な過失や意図的な放置と判断された場合は、補償内容が変わる可能性もあります。契約内容の確認が必要です。

事例5:会計担当理事による横領に気づかなかった理事長・監事が訴えられたケース

会計担当理事が修繕積立金を横領していたことが判明しました。理事長と監事が「監督義務を怠った」として管理組合から提訴され、横領された金額の一部を支払うよう命じられました。

裁判の結果として損害賠償金の支払いが命じられる可能性があります。また、訴訟対応のための弁護士費用も発生します。

役員の監督責任に起因した賠償請求として補償対象となる可能性があります。ただし、役員自身が横領に関与していた場合や、故意に黙認していた場合などは補償対象外となる可能性があります。

様々なリスクがあるから補償にはしっかり入っておいた方が安心だね。

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マンション管理組合の役員賠償保険が必要になりやすい方・管理組合

以下のような状況にある管理組合や役員の方は、現在の保険内容を確認することをおすすめします。

この保険・特約を検討した方がよいケース

  • 役員賠償に備えた特約に加入していない管理組合
  • 役員の人数が多く、業務範囲が広い大規模マンション
  • 住人の意見が分かれやすく、総会での対立が起きやすいマンション
  • 管理費の滞納問題や規約違反トラブルが継続して発生している管理組合
  • 個人情報をデジタルで管理しており、情報漏えいリスクが気になる管理組合

既存の保険内容を確認した方がよいケース

  • マンション管理組合用の火災保険に加入しているが、特約の内容を把握していない
  • 加入から数年が経過し、規模や住人構成が変化した管理組合
  • 管理規約の改定や役員体制の変更があった管理組合
対象者確認すべきリスク
役員賠償特約未加入の管理組合総会トラブル・個人情報漏えい・管理費問題
大規模マンション(100戸以上)住人数が多く賠償リスクも多様化
役員交代があった管理組合新役員がリスクを把握していない
個人情報をデジタル管理している管理組合ウイルス感染・不正アクセスによる情報流出
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よくある質問

マンション管理組合の役員賠償保険は、必ず加入しなければいけませんか?

法律上、役員賠償に備えた特約への加入が義務づけられているわけではありません。

ただし、管理組合の役員は区分所有法などに基づく一定の義務を負っており、職務上のトラブルで損害賠償請求を受ける可能性があります。

ファイナンシャル・プランナー

万一の場合に備えた保険の必要性は、管理組合の規模やリスクの状況によって異なりますので、現状を整理した上で専門家に相談することをおすすめします。

どのような事故が補償対象となりますか?

一般的には、役員が管理規約に定められた業務に関連した行為が原因で損害賠償請求を受けた場合が補償対象となる可能性があります。

具体的には、以下のトラブルが該当するケースがあります。

  • 総会運営
  • 管理費の支出
  • 個人情報の管理など
ファイナンシャル・プランナー

ただし、補償可否は個別の契約内容・約款・事故の状況によって異なるため、具体的な内容は保険代理店または保険会社にご確認ください。

すでにマンションの火災保険に加入していても、役員賠償の特約は必要ですか?

火災保険は建物・共用部分の損害を補償するものが中心で、役員個人の賠償責任はカバーされないことが一般的です。

現在の保険証券を確認し、役員賠償に備えた特約が付加されているかを確認することをおすすめします。

ファイナンシャル・プランナー

付加されていない場合は、特約の追加を検討する価値があります。

保険料はどのように決まりますか?

一般的に、管理組合の総戸室数が保険料の目安となることが多いです。

戸数が多いほど住人の人数も増え、それに応じてリスクも高まるため、保険料も異なります。

また、補償内容や支払限度額、特約の組み合わせによっても変わります。

ファイナンシャル・プランナー

具体的な保険料については、管理組合の規模や現在の保険内容を踏まえて代理店に確認することをおすすめします。

補償されないケースはありますか?

はい、補償されない場合があります。

代表的なものとして、以下が挙げられます。

  • 役員の故意
  • 犯罪行為
  • 私的流用などの不正行為
  • 身体の障害や財物の損害に起因する賠償請求
  • 知的財産権侵害
  • 保険開始前の行為に起因する請求など
ファイナンシャル・プランナー

また、役員と世帯を同じくする親族からの請求も補償対象外となることが一般的です。詳細は約款・重要事項説明書でご確認ください。

事故が起きたらどうすればよいですか?

損害賠償請求を受けた場合や、受けるおそれのある状況が発生した場合は、速やかに保険代理店または保険会社に連絡することが重要です。

独自に賠償責任を認めたり、示談に応じたりする前に、必ず保険会社の承認を得てください。

相談時に何を準備すればよいですか?

現在加入している保険の保険証券を手元に用意した上で相談するとスムーズです。

加えて、管理組合の総戸室数現在の役員体制過去のトラブル実績個人情報の管理方法なども整理しておくと、より的確なアドバイスを受けやすくなります。

マンション総合保険のお悩み、ご相談下さい。

マンション総合保険のこのようなことでお悩みではありませんか?

  • 更新後の保険料が3倍になると案内された。
    保険料を削減できる方法はないのでしょうか?
  • 契約中のマンション総合保険の保険料が高すぎる。契約期間の途中で保険料を削減することは出来ないのでしょうか?
  • 複数の保険会社から保険料を比較して、理事の納得の上で保険に加入したい!
  • 初めて管理組合で保険に加入することを検討している・自主管理だが、どのように進めれば良いか分からない!

もしも、マンション総合保険についてお悩みのことがあれば、どんなことでも構いませんので、お気軽にご相談下さい。

まとめ

マンション管理組合の役員は、善意でその職を担っていても、住人や組合からの損害賠償請求を受けるリスクがあります。

総会運営・管理費の支出・個人情報の管理など、役員の職務に関連するさまざまな場面でトラブルが発生する可能性があることは、多くの役員が十分に認識できていないのが現状です。

役員賠償に備えた特約では、以下が補償対象となる可能性があります。

  • 損害賠償金
  • 弁護士費用
  • 初期対応費用
  • 情報漏えい対応費用
  • 紛争解決費用など

一方で、故意・不正行為・身体傷害・財物損壊など、補償対象外となるケースも多く存在します。

大切なのは、現在の保険内容が管理組合の実態に合っているかを定期的に確認することです。

「特約に入っているから大丈夫」と思い込まず、支払限度額・補償範囲・免責事項保険証券と約款で確認する習慣を持ちましょう。

ファイナンシャル・プランナー

現在加入している保険で十分な補償が得られているか不安な場合は、保険証券と管理規約を手元に用意した上で、保険代理店や専門家に相談することをおすすめします。

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