マンション総合保険で多い質問! マンション共用部分のトラブルを保険で解決する方法
マンション総合保険では「共用部分」を補償の対象としていますが、起きた事故によって解決方法(保険の使い方)が変わってきます。
共用部分の補償に関して、マンションの方からのご質問で多いのが、
マンションの駐車場内で車を停めていたら、まわりが暗かったので立体駐車場の柱が見えず、ぶつかって壊してしまった。運転しているときは細心の注意を払っていたけど、駐車場に暗所があるのは危険。管理組合側で駐車場のことをしっかり考えていないからこういうことになったんじゃないか。
遊びに出ていた子供が駐車場のフェンスに激突し、壊して帰ってきた。幸いうちの子にケガはなかったけど、壊れたフェンスの修理代をこれから請求されると思うと・・・
ゴミ置き場の照明が誰かに破壊されていた。犯人を捕まえてやりたいけど、もし壊したのがご近所さんだったら嫌だしなあ。
こんな場合に、「マンション総合保険って下りるの?」という声です。
今回は、駐車場やゴミ置き場などの共用部分で生じた損害に対して、保険をどのように使えるかを解説していきます。
マンション総合保険とは? 共用部分の火災保険を徹底解説
マンション総合保険とは、マンション管理組合向けの火災保険の一種で、マンション共用部分に対する補償を目的としています。 保険会社によって名称は異なりますが、いず…
目次
マンション総合保険を使わない損害もある?
マンション共用部分に起きた事故であっても、マンション総合保険を使わない場合があります。
たとえばマンションの住民が、自動車を駐車(運転)しているときの事故が該当します。
自動車の運転中に起きた事故に関しては、よっぽどの理由がない限り自動車保険での対応となります。
また被害者保護という観点から、加害者からの損害賠償金は火災保険などものを守るための保険より優先されます。
なので共用部分に起きた損害であっても、車を運転していた人が支払うこととなり、マンション総合保険から保険金は支払われません。
この賠償責任保険については、日常生活中であれば個人賠償責任保険で対応できるだろう、と考える方もいるかもしれませんが、今回のケースでは個人賠償責任ではなく、自動車保険の対物賠償責任保険で対応します。
この考え方は他の賠償責任保険でも同じで、企業向けの賠償責任保険では職務遂行中や、個人賠償責任保険では日常生活中というふうに、補償される活動は保険ごとに制限されています。
子供が遊んでいるときにフェンスに激突した場合は、日常生活の事故として個人賠償責任保険による補償の対象となります。
自動車保険に限らず、損害発生の原因が業社や第三者だった場合には、火災保険よりも相手からの賠償責任が優先することを覚えておきましょう。
※例外として、相手方の賠償責任が発生する場合でも、相手にお金がなく保険にも入っていないなど、賠償金を回収できないときには、マンション総合保険で対応出来ます。
マンション総合保険で補償されることはないのか?
賠償責任のある・なしを除けば、自動車がぶつかったことによる消火栓の損壊は、物体の衝突という補償項目、子供がフェンスを壊してしまった場合は、破損という補償項目で対象となる損害です。
賠償責任がある場合には、マンション総合保険よりも第三者からの賠償金が先行しますが、同じ第三者が加害者の事故でもマンション総合保険の対象になることはもちろんあります。
他の保険に優先してマンション総合保険の補償対象となる場合
マンション総合保険で付帯するオプションの特約の中に、施設賠償責任保険があります。
これはマンションの管理組合が、マンションに関しての管理を怠っていたと訴えられた場合の保険ですが、冒頭の若い男性が言っていたように、駐車場内に暗がりがあるのを管理組合が放置していたなど、過失や欠陥が認められた場合には施設賠償責任保険の補償対象となります。
基本的には、そこに建ててあったものに対してぶつかっていった運転者の責任になりますが、それ以上に施設を管理していたものに落ち度があると認められれば、賠償責任がある方のほけんが利用されます。
第三者が不明である場合
第三者が加害者であることが明らかなものであっても、損害を発生させた人(原因)がわからないときも、火災保険の補償対象となります。
マンション総合保険は火災保険がベースなので、自然災害による損害が基本補償です。
自然相手ではなく第三者から被った損害については、被害者と加害者の間で解決するのが原則なので、火災保険より賠償問題の方が優先されます。
しかし人がやっただろうと思っても、犯人が不明など誰にも賠償責任を求められない場合には、マンション総合保険で対応します。
賠償責任を求める相手がわかっていたとしても、求める賠償金を相手が払いきれない(財力がないなどの理由で)場合にも、火災保険を請求できます。
建物を守るために契約しているので、当然といえば当然です。
解決方法のまとめ
第三者が絡んでいるような損害の際に、押さえていただきたい点は、以下の2点です。
- 賠償責任が発生している場合には、マンション総合保険より賠償責任が優先する。
- やった人がわからない損害については、マンション総合保険を適用できる。
マンション共用部分について、居住者などが壊してしまった場合にフォーカスを当て、マンション総合保険を使用できるかどうかについて記事にしてみました。
少しでも皆様のご参考になれば幸いです。