マンション管理組合の役員は断れない?仕事内容と円満な辞退法を徹底解説


分譲マンションを買ったら、管理組合の役員に選ばれてしまった…



理事長なんてやったことないから、できれば拒否したいけれど、義務なのだろうか?
お住まいのマンションの維持管理に関わることで、こうした問題や不安を抱えている40代からシニア層の方は少なくありません。
理事会役員の仕事は大変そうという印象があり、正直なところ、できれば引き受けずに済ませたいと考える方も多いのではないでしょうか。



管理組合役員を任されるのは不安…という方も、安心してください!
管理組合の役員の役割や、どんな仕事をするのかを事前に知っておけば、必要以上に不安に感じることはありません。
本記事では、難しく感じる制度や管理規約について、身近な例を交えながら、分かりやすく解説していきます。
この記事を読むことで、管理組合役員の仕事や役割、役員を断ることはできるのか、役員報酬はあるのかといった疑問が解消され、マンション管理への漠然とした不安も「思っていたより心配しなくてよさそう」と安心感へと変わるはずです。
目次
役員就任は「義務」ではない!それでも協力が必要な理由


まずはじめに、多くの方が最も気にされる管理組合の役員(理事や理事長など)への就任について、結論と押さえておきたい重要なポイントから解説していきます。
管理組合の役員就任は法的な「絶対義務」ではない
分譲マンションを購入した場合、区分所有法に基づいて管理組合の組合員になります。
多くのマンションでは、管理規約や細則の中で、役員の選び方として「輪番制」や「選任」といった方法が定められています。
ただし、管理組合の役員については、法律上「全員が必ず順番に引き受けなければならない」と決まっているものではありません。



法律で「拒否したら罰則がある」と決まっているわけではないんだね。



そうなんです。
マンションごとに定めている「管理規約」というルールブックに、役員の選び方が書かれているため、法律上の義務のように感じてしまうんです。
管理組合はマンションの資産価値を守るために欠かせない存在
では、なぜ多くの方が大変そうだと感じながらも役員の仕事を引き受けているのでしょうか。
それは、役員の皆さんが行うマンション管理が、日々の住みやすさだけでなく将来の資産価値を守る上で、非常に重要な役割を果たしているからです。
管理組合の役割は、大きく分けて次の2つがあります。
- 維持管理
-
マンション住民が快適に暮らすための業務全般
- 日常の清掃や共用設備の点検
- 管理費や修繕積立金の会計 等
- 長期的な計画
-
10年、20年後の大規模修繕に向けた計画づくりや、お金の管理
長期的な計画が不十分だと建物の劣化が進み、将来売却を考えた際に資産価値が大きく下がる可能性があります。




理事会がうまく機能していないと、管理会社に任せている業務が適切に行われているかを確認できず、最終的には住民全体にとって不利益が生じてしまう可能性があります。



「管理会社に任せているから大丈夫」というだけでは足りないんだね。



その通りなんです。
だからこそ、住民全員が交代で管理組合を担当し、協力し合うことが求められるのです。
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公的データで見る!「管理組合」の活動が必須な理由





管理組合の役員の仕事は大変そうだけど、そこまで真剣にやる必要があるのかな…
このように感じる方もいるかもしれません。
ここでは、国土交通省が公表している公的なデータをもとに、マンションを長く快適に維持するうえで、管理組合の活動がいかに重要かを見ていきましょう。
マンションの高齢化と避けて通れない大規模修繕の現実とは
1. 高齢化するマンションと修繕の問題
管理組合の活動が最も重要になるのは、建物が古くなり、大きな修理(大規模修繕)が必要になる時期です。
国土交通省の『令和5年度 マンション管理計画認定制度の申請状況等』に関する資料から、修繕積立金の状況を見てみましょう。


特に築20年超のマンションでは、約10%が修繕積立金を値上げしている、あるいは値上げを検討しているという状況も見られます。
修繕積立金は、いわばマンションの建物の健康を保つための「貯金」です。
この貯金が計画通りに貯まっていない、つまり「想定以上に建物の維持管理にお金がかかる問題」が、多くのマンションで起こり始めていることを意味しています。



修繕積立金が足りなくなったらどうなっちゃうの?



大規模修繕の時期が遅れたり、修繕内容をグレードダウンせざるを得なくなります。
こうなると建物の状態が十分に保てず、資産価値を直接的に下げることに繋がってしまうんです。
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2. 管理組合の必要性は「命綱」
国土交通省の『令和5年度 マンション総合調査』によると、管理組合が抱える問題として「役員のなり手不足」や「組合員の管理意識の低さ」が常に上位に挙げられています。


マンションの組合員である住民の皆さんが、「自分ごと」として管理に関わる活動ができていない状況があるということです。
管理会社に業務を委託していても、管理会社はあくまで管理組合の決定に基づいて動く「下請け業者」です。


理事会が機能しないと、
- 管理会社に言われるがままに高い管理費を払い続ける
- 不必要な工事計画を受け入れてしまう
このような可能性も出てきます。



管理組合の理事長や理事と管理会社の関係は、船に例えるとわかりやすいかもしれません。
- 管理会社
-
客船の船長
- 管理組合の理事長や理事
-
船長をチェックする「船主(区分所有者)の代表」
船主が船長に全てを任せきりにしてしまうと、船の運営状況が十分に把握できなくなったり、今後の船(建物)の修理計画がおろそかになります。
だからこそ、船主の代表(管理組合)が運営を見守り、計画的に判断することで、船は安心して航海を続けられるのです。



管理組合って、管理会社がちゃんとマンションを運営してくれているかを確認する大切な役割があるんだね。
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理事会役員は何をするの?具体的な仕事と役割


管理組合の役員が具体的にどのような仕事をするのか、主な役職と業務内容を解説します。
理事会の役職と役割


管理組合の役員は、理事長、副理事長、理事、監事などで構成されます。
多くのマンションで使われている国土交通省の『マンション標準管理規約(単棟型)』に基づいた役割は以下の通りです。
| 役職 | 仕事内容 |
| 理事長 | 管理組合の「顔」であり、代表者。 理事会や年に一度の総会の議長を務め、決定事項の契約や書類の保管など、業務全体を統括します。 |
|---|---|
| 副理事長 | 理事長が不在の時に、その役割を担当する代理人。 理事長の仕事のサポートも行います。 |
| 理事 (会計理事など) | 日常の業務を分担して行います。 例えば、会計理事は管理費や修繕積立金の管理(管理会社への委託業務のチェック等)を担当します。 |
| 監事 | 理事会の業務執行や会計が正しく行われているかをチェック(監査)する役割。 理事会には参加しますが、決議権はありません。 |
理事会の主な活動内容
| 仕事の内容 | 具体的な業務 |
| 定期的な招集と開催 | 月に1回程度理事会を開催し、管理会社からの報告や、住民からの問題提起に対する対応などを話し合います。(開催頻度はマンションによって異なる) |
|---|---|
| マンション修繕計画の検討 | 建物や設備の不具合、大規模修繕に向けた計画や業者選びを検討します。 |
| 管理費・会計のチェック | 管理費や修繕積立金が適切に使われているか、管理会社の業務内容を報告書でチェックします。 |
| トラブル対応 | 住民間のトラブルや、共用部分の問題(水漏れなど)の解決に向けた調整役を担います。 |
ほとんどの業務は、管理会社が実務を行う場合が多く、役員の仕事は、実務ではなく「決定」と「チェック(監視)」がメインです。
役員報酬とメリット



管理組合の業務はやることが色々ありそうだけど、仕事じゃないから報酬はないのよね…?
管理組合役員の仕事は、ある程度の時間や手間がかかるため、その対価として役員報酬が支払われるケースもあります。


- 役員報酬の有無
-
国土交通省の『令和5年度 マンション総合調査』によると、「役員報酬あり」と回答した管理組合は全体の約30%程度です。
役員報酬の有無や金額は、管理規約によって決定されます。
- 報酬の相場
-
役員報酬が支払われる場合でも、月数千円〜数万円程度で、理事長が最も高くなる傾向があります。
これは、仕事の対価というより、活動費や協力金としての意味合いが強いです。
役員になることで得られるメリットは、報酬以外にもたくさんあります。
- マンション管理の実態が把握できる
管理費や修繕積立金の会計状況、建物の維持管理計画など、所有するマンションの「資産の状況」を詳しく知ることができます。 - 住環境の問題等を直接的に改善できる
自分が不便に感じていた問題(例:清掃や設備など)を、理事会の場で提議し、解決に繋げやすくなります。 - 万一のトラブルに強い
建物の設備や、管理組合が加入している保険の内容に詳しくなることで、万一の水漏れなどのトラブルが起きた場合でも、慌てずに対応できるようになります。



管理組合と理事会という言葉が出てきたけど、その2つは何が違うの?



管理組合はマンション所有者で構成する組織全体を指します。
理事会は管理組合の中から選ばれ、構成された組織のことを指しているため、管理組合役員と呼んでいる場合もあります。
トラブルを避けるための円満な役員辞退・就任のコツ





仕事が忙しくて、管理組合の仕事まで手が回らない…



小さな子どもがいるから時間が取れないのよね…
このような事情から、役員就任をできれば避けたいと感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで、役員への就任を辞退したい場合の対応方法と、実際に就任した場合、負担をできるだけ減らすための具体的なアクションについてご紹介します。
無理なく役員就任を断るための対応ポイント
管理組合の役員は輪番制で回ってくるケースが多いため、断り方によっては住民間の人間関係に影響が出る可能性があります。
辞退する場合でも、組合員としての協力の姿勢を見せることが大切です。
| 円満辞退のためのアクション | ポイント |
| 理由の説明に配慮する | ただ「やりたくない」ではNG。 「現在の仕事や生活状況から、任期中の活動が困難である」など、具体的かつ丁寧な理由を説明します。 |
|---|---|
| 代理や協力を提案する | 「今回は難しいが、来年度は引き受ける可能性がある」 「総会の出席など、一部の業務であれば協力できる」 といった、代替案を提案します。 |
| 家族の協力も検討する | 管理規約で規定されている場合、役員本人でなくても、配偶者や家族が代理で出席や活動を担当できるケースも検討します。 |
| 専門家への委託を提案する | 管理組合の活動そのものが困難な場合、第三者(管理会社以外の専門家)に理事長業務を委託する「第三者管理方式」の導入を提案するのも一つの解決方法です。 |
注意点
一部の管理組合では、役員辞退者に協力金(ペナルティのようなもの)の支払いを定めている場合があります。まずは管理規約を確認しましょう。
役員に就任した場合に負担を減らす方法
万が一、役員を引き受けることになっても、負担をできるだけ軽くしながら活動する方法はあります。
- 分担を徹底する
-
理事会メンバー全員で業務を細かく分け、一人の担当に時間や責任が偏らないように調整します。
- 管理会社を徹底的に活用する
-
管理会社への委託業務範囲を明確にし、実務の多くは管理会社に任せます。
理事は、管理会社の報告をチェックする役割に集中します。 - ITツールを利用する
-
会議をオンライン開催にしたり、報告書の作成・共有にクラウドサービスを利用したりすることで、時間と労力を大幅に節約できます。



工夫次第でかなり負担が軽くなりそうだね!



色々な方法を活用して、無理なく管理組合の活動をしていきましょう。
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事例で見る!管理組合の役員トラブルと解決のヒント


ここでは、管理組合の役員が直面しやすいトラブルを具体的なケースとして見ていきましょう。
「輪番制の拒否」で孤立したBさん(50代・会社役員)の事例
Bさんはマンションで輪番制によって理事に選任されましたが、「仕事が忙しい」という理由で理事会への出席を一度もせず、管理会社からの報告書も確認しませんでした。
発生したトラブル
理事会では、Bさんの担当業務であった「大規模修繕の計画決定」が滞り、修繕時期が遅れてしまいました。
Bさんは「管理会社の仕事だろう」という態度でしたが、他の住民からは「無責任だ」と批判され、生活環境が悪化。
精神的なストレスから、マンションを売却することになってしまいました。
FPの解説
管理会社の仕事は、あくまで理事会が決定した計画に基づいた実行のため、役員は決定の責任があります。
Bさんのように協力の姿勢を全く見せない場合は、人間関係の問題だけでなく、資産価値の低下という結果も招きかねません。



辞退する場合でも、丁寧な説明や代替案の提案が重要です。
「保険活用」でトラブルを乗り切ったCさん(40代・理事長)の事例
Cさんは理事長に就任した際、「業務中のトラブルが怖い」という不安を抱えていました。
発生したトラブル
理事長に就任して数ヶ月後、理事会が決定し実行した修繕工事で、作業ミスによる水漏れトラブルが発生し、住民の家財に損害が出ました。
住民から「理事長の決定が原因だ」と訴訟寸前の問題に発展しました。
トラブル発生後の対応と結果
Cさんのマンションは、理事会役員が業務を行う上で生じた損害を補償する「役員賠償責任保険」に加入していました。
トラブル発生後、保険会社が間に入り、賠償金を支払う対応を取ったため、Cさんの個人的な負担は最小限に抑えられました。



管理組合の業務決定には責任が伴いますが、そのリスクは保険でヘッジできます。
役員になった際は、管理組合がどのような保険に入っているか、監事と一緒に確認することが、自身の身を守る方法にもなります。
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よくある質問(Q&A)で不安を解消!


管理組合の役員業務について、読者の皆さんが抱きやすい素朴な疑問にQ&Aでお答えします。
マンション管理は「誰かの仕事」ではなく、資産価値を守る「自分ごと」


この記事では、マンション管理組合の役員業務について、不安を解消できるよう具体的に解説しました。
たしかに、管理組合の役員業務は仕事内容が多岐にわたり、負担に感じる可能性もあります。
しかし、管理組合の活動は、毎日の住環境を快適に保ち、マンションという大切な資産の価値を保つために欠かせない存在であることも、十分にご理解いただけたのではないでしょうか。
役員に選出された場合は、まずは管理会社から業務内容や管理規約の説明を受けるところから始めてみましょう。
- 多くの業務が管理会社に委託されていること
- 万一のトラブルには保険で対応できること
この様な管理組合の仕組みがわかれば、過度に心配する必要はありません。
次のステップ:管理規約の確認と相談



まずは、お手元にあるマンションの管理規約の確認から始めてみましょう!
まずは、お手元にある管理規約を今一度確認してみてください。
- 役員の選任方法(輪番制か立候補か)
- 役員報酬の有無と金額
- 代理出席の可否
もし、業務内容や拒否方法に疑問や不安が残る場合は、マンション管理士などの専門家に相談することも解決への近道です。
一人で抱え込まず、住民全体で快適な生活空間を築くために、一緒に前向きに考えていきましょう。
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