マンション総合保険の更新に総会決議は必要? 管理組合が注意するべき点とは

マンション総合保険が満期となり、更新契約の検討をしなければならないとき、理事会で契約内容は変えずにそのままの内容で更新しようと判断するケースがあります。
マンション総合保険は、住民全員のマンション共用部分の火災保険なので、自分が理事長のときに内容を変更するのは、なかなか抵抗がありますよね?
でも、内容を変更しないからといって総会決議をとらずに、そのまま更新契約をしても大丈夫なのでしょうか?
実は、マンション管理組合で契約しているマンション総合保険は、契約内容を理事会で話し合うことも多いのですが、最終的な決定権は総会にゆだねられているのです。
この記事では、マンション総合保険を更新する際に、総会決議が必要かどうかについて詳しく解説します。
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目次
マンションの総会で決定する事項

マンション管理組合は管理規約という取り決めに基づいて機能しています。
この規約の方針や管理業務の詳細を最終的に決めるのは、総会です。
マンションの総会で管理規約として議決事項は、標準管理規約第48条に定められています。
収支決算及び事業報告や収支予算及び事業計画、管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法など、15項目にわたる広範囲なものです。
ほかにも事前に通知された内容について議決することができます。
マンションの総合保険を更新する際、内容が変わらなくても更新後の掛金が値上げになる場合などは「収支予算の変更」に当てはまるため、総会で議決する必要があります。
マンション管理組合と理事会
分譲マンションは共同住宅であるため、ほかの住民と話し合って、共用部分の使用方法などさまざまなことを決めていく必要があります。そのための組織がマンション管理組合です。
分譲マンションの所有者は、マンション購入と同時に管理組合の組合員になることが区分所有法第3条によって定められています。
つまり、区分所有者全員が、マンション管理組合の構成員となります。
区分所有者が賃貸に出して入居者がいるケースがありますが、入居者は構成員ではなく、あくまでも区分所有者が管理組合の構成員(組合員)となります。
この管理組合が行う業務は組合員の代表者からなる理事会の話し合いで決定し、実際の業務関係を理事会役員が行います。
役員になると、毎月1回の理事会に参加し、管理会社から1カ月間の管理費や修繕積立金などの会計報告を受けます。そのほか、住人同士のトラブルなども理事会で解決策を模索します。
理事会の役員には、理事長、副理事長、監事、防火担当理事、町内会担当理事、会計担当理事などがあり、それぞれの役目に沿った活動を担当します。
専門知識がなくても、管理会社が活動のサポートを行いますので、特に心配する必要ありません。
理事会役員は原則的に無報酬ですが、報酬規定を別に設ければ一定額を報酬としてもらえます。年間2~3万円程度が一般的な相場です。
総会での決議事項は標準管理規約に記載されている
マンションの総会で決定される事項は、標準管理規約第48条で次のように定められています。
標準管理規約第48条
一 収支決算及び事業報告
二 収支予算及び事業計画
三 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法
四 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止
五 長期修繕計画の作成又は変更
六 修繕の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し
七 建物の建替えに係る計画又は設計等の経費のための修繕積立金の取崩し
八 修繕積立金の保管及び運用方法
九 敷地及び共用部分の管理の実施
十 共同の利益に反する行為の停止等の訴えの提起並びにこれらの訴えを提起すべき者の選任
十一 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
十二 建替え
十三 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法
十四 組合管理部分に関する管理委託契約の締結
十五 その他管理組合の業務に関する重要事項
また、区分所有法第34条2項で総会は年1回の開催をすることが義務付けられ、理事長が組合員を招集して行います。
総会には、原則として議決権総数の過半数を有する組合員の出席が必要で、これを満たさない場合は総会が成立しません。(議決権の分布にもよりますが、1住戸1議決権の100戸のマンションであれば、出席する組合員の議決権の合計が51以上必要になります。)
委任状による代理出席や、議決権行使書による書面での議決権行使も、出席として扱われます。
2026年4月1日に施行された法務省 改正区分所有法にあわせて国土交通省 標準管理規約も見直され、この出席要件はこれまでの「半数以上」から「過半数」に変わりました。
議決権は、専有部分の床面積の割合で決まるのが原則ですが、各戸でその差が小さい場合は「1住戸につき1議決権」と管理規約で定めていることが多いです。
普通決議事項は、総会に出席した区分所有者数と議決権数のそれぞれで過半数の賛成を得れば決議します(以前は区分所有者全員が基準でしたが、今回の改正で出席者基準に変わりました)。
規約で「議決権数のみの過半数で決議する」と定めることも可能です。(たとえば、1住戸1議決権の100戸のマンションで60議決権が出席している場合、31議決権以上の賛成が必要になります。)
重大な議案は「特別決議事項」となり、決定のためには出席した区分所有者数と議決権数の各4分の3以上の賛成が必要になります。あわせて、特別決議を行うには区分所有者数・議決権数のそれぞれで過半数の組合員が出席していることも条件です。
ちなみに、「杭打ち」で話題になった建物の建替えは5分の4以上の賛成が必要です。
ただし耐震性の不足や外壁の剝落のおそれなど、一定の老朽化の要件に当てはまる場合は、4分の3以上の賛成で決議できる特例が今回新設されました。
マンション総合保険についても総会で決定
マンションの総合保険には共用部分の損害保険が含まれていて、『火災保険』や『地震保険』、『施設賠償責任補償』がこれにあたります。
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区分所有法では、共用部分について損害保険契約をすることは「共用部分の管理に関する事項」とされ、原則として総会の決議で決定します。ただし、管理規約で別段の定めをすることも可能です。
実際の保険会社や補償内容の選定については、総会で承認された予算や事業計画、理事会に付託された範囲内であれば、理事会などが具体的な内容を決定できる場合があります。一方、承認された予算を超える場合や、総会で承認された範囲を超えて契約内容を変更する場合には、あらためて総会での決議が必要になります。
つまり、マンション総合保険の更新や見直しは、「変更があるかどうか」だけで総会決議の要否が決まるわけではありません。管理規約の内容や、総会で承認された予算・事業計画、理事会に付託されている範囲などを確認したうえで判断する必要があります。
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マンション管理費に直接関わるマンション総合保険

マンション総合保険の掛金は管理費(住民から徴収した、マンションの維持管理費用に回すお金)から払われます。
更新によって掛金が上がる場合はもちろんですが、保険会社や契約内容の見直しによって掛金を下げられる可能性がないわけではありません。
住民の中には、管理費および掛金を「下げられるなら下げてほしい」と考えている人が少なからずいるものです。
実際に私が相談役として呼ばれたあるマンションの総会では、住民の方から「なんで更新でこんなに掛金が上がるのか?」や「掛金を下げられないか?」という質問が多く上がりました。
自分たちの大切な資産を守るための管理費を無駄に使ってほしくないという思いは、当然だと思います。その思いに寄り添えるのが私たちだと思っています。
したがって、マンション総合保険の内容に変更がない場合でも、更新時には全体的な合意が得られる総会決議で決定されるのが望ましいと言えます。
マンション総合保険は、単にそのまま更新するのではなく、より良い保険がないか、もっと掛金を抑えることはできないかと検討することが大切です。
マンション総合保険は、見直しもせず理事会役員だけの勝手な判断で更新を決めてしまっては、住民からの反感を買う可能性もあります。
全員が納得したうえで保険の更新が行われるほうが、理事会の運営の仕方に透明性があって健全です。
保険の内容を変更する際にも総会は必要
マンション総合保険の見直しは保険の更新時とは限りません。
マンション管理組合に向けた損害保険は、多数の保険会社が独自の商品を用意しているので、契約時よりもさらに良い条件で保険が選べることもあります。
掛金を下げられれば管理費の値下げにもつながり、組合員にとってもメリットがあるので、役員であればマンション総合保険の最新情報は常に収集しておいて損はありません。
また、保険会社や保険商品を選ぶときには、基本的に代理店を通じて契約することになります。
したがって、そのマンションの構造や管理組合の意向に合った保険の相談に乗ってくれる代理店付き合うことがが重要です。
新商品を紹介してくれたり、万一の事故が起きたときにフォローしてくれたりする、マンション管理組合に精通し、役立つサービスを持つ協力的な代理店を見つけておきましょう。
総会決議でしっかり内容を共有すること
マンション総合保険の内容について、住民とマンション管理組合がもめてしまうという残念なケースも多いのです。
それは、総会決議で同意を得たとしても、保険の内容について住民側が誤解していたり、そもそも詳細を把握していなかったりすることで起こります。
あとから「知らなかった」と言われトラブルになってしまっては、総会で決議をとった意味がありません。
マンション総合保険では、『個人賠償責任補償』という日常生活でのトラブルや水漏れ事故の調査や修理に対応したオプションで、本来なら住民が個人で加入するものなどが含まれているものもあります。
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すべての住民がそれぞれで『個人賠償責任補償』に加入していれば、問題ないのですが、なかなかそうもいきません。
『個人賠償責任補償』に加入していない住人やその家族が起こしてしまったトラブルにも対応できるように、マンション総合保険のオプションとして加入するパターンが多いのです。
もし、オプションのないマンション総合保険では、水漏れ事故や上階からの落下物事故などを補償できません。
さらに、事故の原因となった住民が『個人賠償責任補償』に未加入だと、保険での対応はできません。
そうなってしまうと、理事会はその責任を問われかねません。
しかし、未加入の住民のために『個人賠償責任補償』のオプションをつけるということは、加入している住民もいるわけです。
住民が『個人賠償責任補償』に加入している場合は管理組合の契約と個人の契約が重なっている可能性が高く、同一損害に対して掛金の二重払いをさせることになるので丁寧な説明が必要です。
また、マンション総合保険の地震保険は加入していても、マンションの共用部分の主要構造部の損害以外は対象になりません。
例えばエレベーターや機械式駐車場の故障などには保険金が支払われず、結局、修繕費でまかなうことになって住民から苦情が出たケースもあります。
不要なトラブルを避けるためにも、契約している保険内容は総会決議などでしっかり説明し、組合員全体が共有するよう配慮しましょう。
総会決議でマンション管理組合が注意するべき点 まとめ

マンション管理組合の役員は、住民に先立ってマンション総合保険の選定や契約に関わることになります。
その際に、管理組合にとって不利益がないように保険の契約内容をしっかり確認することが大切ですが、理事長や理事会だけでその内容を正しく判断し、検討するのはとても難しいでしょう。
仕事をしながら役員を担当されている方が多いと思います。
マンション総合保険に精通した信頼できる代理店といつでも相談できる体制を作ることが重要です。
総会で決定したとしても、組合員である住民は詳細を把握しないままに賛成していたり、時間が経てば契約内容を忘れたりするものです。
実際に損害が発生したときに、住民から補償内容にクレームが出てしまっては意味がありません。
マンション総合保険の内容を周知することは管理組合にとってさらに重要です。
マンション総合保険の見直しをするときに役立つページもありますので、ぜひ参考にしてください。
保険相談ラボでは、複数のマンション総合保険を取り扱っているので、それぞれのマンションに合った合理的な保険をご紹介できます。
ご相談から、比較・検討、理事会等でのプレゼン、お手続き、事故時の対応まで、管理会社と連携してサポートも可能です。
お気軽に、保険相談ラボまでご連絡ください。
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もしも、マンション総合保険についてお悩みのことがあれば、どんなことでも構いませんので、お気軽にご相談下さい。




